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映画「バジーノイズ」桜田ひよりが全セリフ関西弁に苦労、川西拓実はただ見守るだけ

2024年04月15日 22:11  コミックナタリー

コミックナタリー

川西拓実(JO1)と桜田ひより。
むつき潤原作による映画「バジーノイズ」の完成披露試写会が、本日4月15日に東京・イイノホールで開催された。

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5月3日に全国公開される「バジーノイズ」は、PCで音楽を作り、1人で奏でることだけを生きがいにしていた清澄が、マンションの上の階に住む潮と出会うことから始まる青春音楽物語。完成披露試写会には清澄役の川西拓実(JO1)、潮役の桜田ひより、航太郎役の井之脇海、陸役の柳俊太郎、岬役の円井わん、監督の風間太樹が登壇した。

川西は「初主演の映画なので本当に思い入れがあって。一生忘れない作品になると思うので、皆さんに早く観ていただきたい」とコメント。完成した映画を観ての感想を聞かれると、「これは、観てくださる方に絶対後悔させない作品になったなと思いました。僕の中でたくさんのチャレンジがあった作品なんですけど、チャレンジしてよかったです」と胸を張って答える。

川西とダブル主演の桜田は、セリフがすべて関西弁だったことに苦労したそう。自宅で音源を聞きながら練習し、方言指導のスタッフを交えつつ撮影を進めたというが、「方言だけに意識が向くと演技面が疎かになってしまうので、そのバランスを取るのが難しかったです」と振り返る。そんな桜田の関西弁を兵庫出身の川西は讃えるが、「やっぱり僕のあの言葉があったからですよね」と自分の力添えがあったからだと主張。桜田に「それはないです」と即座に否定され、「なんなら川西さんも方言指導受けてましたからね」とバラされる。川西は「関西魂、忘れてないですよ!」と東京に染まっていないことを必死にアピール。結果的に、桜田から「見守ってはくれていました」と証言してもらった。

井之脇演じる航太郎は、レコード会社に勤め、上司と担当アーティストの板挟みになっていくという役どころ。井之脇は「航太郎が好きな音楽と会社員としてやらなければいけないことの間で葛藤する姿には、多くの方が共感できるんじゃないかなと。僕自身、役者の活動はもちろん楽しいのですが、『もっとこういうことにチャレンジしたい』と感じることもあります。その気持ちを航太郎を演じることで昇華させられたのではと思っています」と述べる。

清澄とともに音楽を奏でる陸を演じるため、ベースに初挑戦した柳。「ゼロからのスタートだったので、この映画をぶち壊さないように練習はがんばりました」と苦労を感じさせずに飄々と話す。清澄と陸のバンドに、ドラマーとして参加する岬役の円井はドラム経験者。しかし撮影には不安があったようで、「部活みたいに真面目にやってたわけじゃないので、楽譜を見たら絶望……!みたいな(笑)。やったことのないジャンルだったので難しかったです」と振り返る。

今作は風間監督のこだわりで演奏シーンの吹き替えは基本的に行わず、キャストたちに実演してもらったそう。風間監督は原作を実写化するにあたり意識した点について「音楽業界は刻一刻と時代が巡っていく忙しない業界でもあるので、“今”を描写するということを大事にしました」と話し、客席に来ていた原作者のむつきに登壇者一同で手を振る。

また風間監督からは主演の2人の印象も。川西については「ひよりさんからは人見知りと聞いていたけど、周りのメンバーはそんなことないと言っていて、僕もよくわからない(笑)。でも、真面目な人ではあるなと思います。素直で無垢で、自分の目の前にある課題に向き合っていく気概のある人」と話す。桜田については「ドラマ『silent』でもご一緒しましが、そのときに感じたのは、はつらつとした明るい雰囲気がありながら、どこか見えない部分が彼女の中にあるなと。そのちょっと朧げで見えない部分を見てみたいという思いで今回オファーしました」と述べつつ、「冷静で微熱を持ってる。いろんな感情に自分を揺るがすことができる、繊細な人」と印象を語った。

人によって印象がブレていた川西だが、柳は彼の印象について「弟感がある」とコメント。「イタズラとか好きだよね。小学生がやるような、背中からポンって肩を叩いて知らんぷりするとか。かわいげのあるピュアな子」と紹介する。円井も同じような印象だそうで、「初めてしゃべったのが居酒屋のシーン。料理に添えてあった花を嗅いで『うわっ! 紫蘇の匂いする!』って嗅がせてきたんですよ。だから人見知りって聞いてびっくりでした」と明かす。“匂いを介したコミュニケーション”という言葉で司会が上手くまとめると、川西は「それが僕の作戦」と得意げな表情を見せた。

イベントでは撮影現場の写真を披露するコーナーや、“音楽さえあればほかに何もいらない”清澄のキャラクターにちなみ、キャストたちが「これさえあれば、ほかに何もいらない」というものをフリップで紹介するコーナーも。風間監督はこれさえあればほかに何もいらないものとして「推し」というフリップを挙げ、川西に「(推しは)自分では」と期待させる。しかし正解は「柳くん」で、川西がズッコける結果に。最後に風間監督は「僕は人間関係にいつも緊張していたり、不安を持ってしまうような人間です。僕と同じようなことを思う人の緊張の糸が少しでも揺るんだり、そういう人に寄り添えたらいいなと思ってこの映画を作りました。音楽と日常にある音にも耳を傾け、映画を楽しんでいただければうれしいです」と締め括った。

■ 映画「バジーノイズ」
2024年5月3日(金・祝)全国ロードショー

□ スタッフ
原作:むつき潤「バジーノイズ」(小学館「ビッグスピリッツコミックス」刊)
監督:風間太樹
製作:映画『バジーノイズ』製作委員会
制作プロダクション:AOI Pro.
製作幹事・配給:ギャガ

□ キャスト
川西拓実(JO1)、桜田ひより、井之脇海、柳俊太郎、円井わん、奥野瑛太、天野はな、駒井蓮、櫻井海音、馬場園梓/佐津川愛美、テイ龍進

※柳俊太郎の柳は木へんに夘が正式表記。

(c)むつき潤・小学館/「バジーノイズ」製作委員会