isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
2024年上半期の占いも公開しているので、ぜひ併せてチェックしてくださいね♡
今週の星座占いを全文読みたい方はこちらをタップ 今週のおひつじ座の運勢illustration by ニシイズミユカ
抱卵の季節
今週のおひつじ座は、身を投げうってでもあたためたいと思える可能性を追求していくような星回り。
『鷲の巣と見えて大きな卵かな』(正岡子規)という句のごとし。
春は「抱卵」の季節であり、それは人間においても同じ。すなわち、過去の延長線上をただたどっていくだけでなく、そこに新たな要素を加えるべく、その可能性をあたため、育て始めるには、格好のタイミングでもあります。
今週は、自分が心から新たに勝ち得たいと思えるものが見つかっていきやすいはず。
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死者とともに
今週のおうし座は、自分自身をひとつの「器」とみなし、そこに宿っていく言葉を通して死者とのつながりを感じ直していくような星回り。
生きるか死ぬかというギリギリの状況にある人に対して、日本社会がもはや官民を問わずただ「がんばれ」と言うしかなくなってしまったのは、単に言葉をかける側が相手の直面している事態をめぐる想像力が乏しくなっただけでなく、そもそも死者というリアリティが分からなくなってしまったからではないでしょうか。
インドの地域研究を専門とする中島岳志は、誰かと話しているときにふと言葉が口からついて出て、それに慄くときの感覚について「喉元に死者がいる」という言い方もしているのですが、慄くとともに「少しほっとする」のだとも言います。
あなたもまた、そうした「喉元に死者がいる」という感覚を何気ない瞬間に思い出していくことになりそうです。
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意識が遠のいた先で待ちうけているもの
今週のふたご座は、ふっと意識を遠くの方へと切り離していこうとするような星回り。
『散る花のなかなる幹のふと遠し』(村上鞆彦)という句のごとし。
魅惑的な光景にたたずんでいるうちに、作者はふとその奥に「中なる幹」が見えているのに気づいた。その瞬間、手前で舞い散る花びらが手前に溶けて、幹へとピントが切り替わってしまったのだろう。そして、物理的には幹は花びらが舞い散るすぐそばにあるはずなのに、ひどく遠く感じられたのだと。
あなたの元にも、そんなさまざまな「遠さ」がもたらされていくはず。
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呪いを解くぞ
今週のかに座は、内から外から漂ってくる偽善や欺瞞を嗅ぎつけては、一発おみまいしていくような星回り。
今ほど悪の避けがたさや、悪の複雑性、ないし善悪の不分明さをきちんと考慮に入れた「悪」の思想を先人からくみ上げていく必要のある時機はそうないでしょう。
そして、今こそ顧みられるべき悪への対し方の先例としては、例えば、大正と昭和の二度にわたって国家弾圧をうけた大本教で、指導的立場にあった出口王仁三郎(おにざぶろう)などはぴったりのように思います。
あなたもまた、どうしたって「悪」ということと無関係ではいられない自身の身の上を受け入れていくべし。
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屋根を架ける
今週のしし座は、普段の自分ならありえないような渾身の賭けに出ていこうとするような星回り。
『わが屋根をゆく恋猫は恋死ねや』(藤田湘子)という句のごとし。掲句の「恋死ねや」というのは、どう解釈したらいいものか、いまいちよく分かりません。
そもそも「恋い死ぬ」、つまり誰かを恋い焦がれて死んでしまうということなど、普通ならありえないでしょう。ただ考えようによっては、そのありえないような可能性に開かれた「恋猫」に、作者は自分自身を賭けてみたくなったのだ、という風にも解釈できます。
あなたもまた、計画なしに企ててみることで、なまなましい勢いそのものに身を任せていくべし。
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素人質問で恐縮ですが
今週のおとめ座は、自分たちが生きている「今」という時代を大局的に先取りしていこうとするような星回り。
たとえば、政治学者の丸山眞男は名著『日本政治思想史研究』(1952)において、明治時代の初めに日本が西洋と対等になろうとしたのは、西洋に同化するためではなく、西洋から自分をよりよく守るための手段を見出すためだったということについて言及してみせました。
こうした丸山の明治維新への洞察は、どこか今週のおとめ座の人たちのテーマと通底していくところがあるように思います。
まさに太平洋戦争のただなかで明治維新の本質を看破した丸山のごとく、自分が身を置く社会やコミュニティーの真実を内側から看破していくことが求められていくはず。
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時間をかける力
今週のてんびん座は、機をえて特定の交わりへと改めて開かれていくような星回り。
『見えざるも耕運機行き返す音』(右城暮石)という句のごとし。自分の手で直接行わなくなった、地中に空気を送りこんでは息を吹き返っていくプロセスに、まず音から入っては、少しずつ体にその感覚を馴染ませていく。そうして、十分浸透したところで、外に出て実際にその作業に接していけばいい。
家の外はあかるい春の日の光で満ちていますが、そのあかるさや新鮮さは地中の深さや息苦しさ、閉鎖的なコミュニティや硬直したシステムのままならなさをよく知っている人間においてこそ、救いとなりえるはず。
自身もまた掲句のように耕されていく田畑になったつもりで、自身の身におとずれたつながりや文脈を受け容れていくべし。
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ただへこむだけで終わらせないこと
今週のさそり座は、自身の力の限界や無力さから逃げずに留まっていられるような関わりを模索していくような星回り。
半世紀に渡って精神医療の現場で臨床を続けてきた精神科医の塚崎直樹は、自身の経験を振り返って次のように語っています。
「自殺者は一つの問いをつきつけ、それを残していったわけだから、生き延びる人間は、その問いを受け止めるほかない。それは自分たちの無力を受けいれることである。しかし、それに一人で耐えるのは困難だ。医療は、その無力をともに担う人を持たなくては、続けられない。そういう思いを残された人に伝えたい。」(塚崎直樹『虹の断片―精神科臨床医、四八年の経験から―』)
あなたもまた、人は誰もが無条件に生き続けるものであり、そうでなければならないという執着を捨て、むしろ自分たちの無力をともに担いあえるような関係を築いていくべし。
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日常のアニメ化
今週のいて座は、バラバラな行為の集合としてではなく、一連のアニメーションに仕立てていこうとするような星回り。
『遠足のおくれ走りてつながりし』(高浜虚子)という句のごとし。おそらく掲句の意味するところは、ちょっとした遠足の一コマなのでしょう。説明文としてはやや冗長です。
それをまるでアニメーションを作画するかのように、動詞(モーション)を的確に重ねることで、余計な言葉をそぎ落としつつワンシーンを生き生きと再構築し、読者の頭に生き物のような遠足の列の“うねり”を思い描かせることに成功している。けだし名句というのは、こういう句のことを言うのでしょう。
あなたもまた、何かとやるべきことが増えていきやすいタイミングだからこそ、作者のようにさりげなく技巧をこらしてスッキリさせていきたいところです。
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予期せぬ方へ
今週のやぎ座は、強い受動性を発揮して物語にドライブをかかっていくような星回り。
小島信夫の『馬』という小説は、冒頭部分からして既にそうなのですが、「僕」という語り手には強い受動性があって、それが逆に小説の推進力の強さにすり替わっている。
あるいは、どこか神話や夢の中のように、どんどん予期せぬ流れが作られていったり、脇へとそれていくけもの道が垣間見えてきても、そこにあえて全力で乗っかっていく受け身感に満ち満ちていることで、何か大きな力が宿ったり、決して自分一人では生みだせないものを生みだすことができているように感じるのです。
あなたもまた、そうした強い受動性を発揮し、たとえ不条理だろうと悪夢的であろうと、目の前で何が起こっても全力でそれを受け止めていきたいところです。
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週は頭が悪いから
今週のみずがめ座は、自明な大前提をひっくり返していこうとするような星回り。
『頭悪き日やげんげ田に牛暴れ』(西東三鬼)という句のごとし。
げんげ田は、人間からすればどこかやさしげな色彩ののどかな光景ですが、牛からすればそれも気に食わないのでしょう。もしかしたら作者は、主人に逆らってでも暴れている牛を見かけて、「なんだ、お前もか」と思わずニヤリとしていたのかも知れません。
あなたもまた、いっそ掲句のような「牛」となってひと暴れしてみるべし。
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遊んだり、遊ばれたり
今週のうお座は、より鮮やかな白昼夢を作るべく、仕込みに励んでいこうとするような星回り。
現代アメリカを代表するベストセラー小説家であるスティーブン・キングは、誕生日であれクリスマスであれ、一日も休むことなく毎日必ず2000語分小説を書くというノルマをみずから課していることで知られています。
なぜキングはそこまで徹底できるのか。その秘訣について、彼は回想録の中で小説を書くことを「創造的な眠り」にたとえ、それは訓練によって可能になるのだと述べています。
あなたもまた、キングを参考に自分なりの創造的な習慣づけを試みてみるべし。
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