レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、F1第4戦日本GPで担当レースエンジニアであるジャンピエロ・ランビアーゼと緊迫した無線のやり取りをしたのは、レース前にRB20のフロントウイングのセッティングに関する意見の相違があったからだと明かした。
フェルスタッペンは鈴鹿で表彰台の頂点に返り咲いた。レースを支配してレッドブルをワン・ツーフィニッシュに導き、チームメイトのセルジオ・ペレスは彼から12秒差の2位でフィニッシュした。
しかし、3度の世界チャンピオンであるフェルスタッペンは、最初から完全に順風満帆だったわけではなかった。周回が進むにつれてアンダーステアがオーバーステアに変わるなど、第1スティントではマシンの挙動に不満を漏らしていた。
最初のタイヤ交換に先立ち、フェルスタッペンとランビアーゼは無線でRB20のフロントウイングレベルを微調整する可能性について話し合った。フェルスタッペンが「多分1クリックか2クリック減らすのは問題ない」と言うと、「だから私はそう言っただろうとは言わないが、了解した。ありがとう」とランビアーゼは答えた。
レースエンジニアの反応は一見独りよがりに見えたが、フロントウイングのセットアップをめぐって事前に意見の相違があったことを示唆しており、フェルスタッペンはレース後にそのことを説明した。興味深いことにフェルスタッペンは、このやり取りは非難めいてはいたが、モチベーションを高めることになり、マシンからより多くのパフォーマンスを引き出す気になったと認めている。
「口論はしなかったが、彼は『本当にそうしたいのか?』と言った。僕はかなり確信があったけれど、間違っていたことが分かった」とフェルスタッペンは説明した。
「彼が正しかったんだ」
「ある意味では僕を奮い立たせることにもなった。『今のバランスに完全に満足しているわけではないが、彼に怒鳴り返さずに、できる限り一貫性を保とう』という気持ちになったからだ」
「僕たちは素晴らしい関係を築いていて、このようにうまく機能している」
フェルスタッペンは金曜日、レースウイークを比較的控えめにスタートした。しかし、予選前のセットアップ変更は、マシンのバランスとハンドリングの改善に大きく貢献した。
「予選までは満足していなかったけれど、いくつかの変更を行った」とフェルスタッペンは語った。
「詳しくは言えないけれど、今日はそれが役に立ったし、ドライビングやマシンのコントロールがずっとよくなった」
フェルスタッペンとランビアーゼが無線で口論するのは珍しいことではない。レッドブルのレースエンジニアである彼は、セッティングや走行プランにおいて采配を振るう際、厳格に自分の立場を貫くことで定評がある。しかしランビアーゼとフェルスタッペンが奇妙な無線でささいな争いをしたものの、ふたりのダイナミックなコラボレーションは大きな成功を収めた。
レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、日曜日のレース後にからかって「また老夫婦が登場した!」と言った。
「先だって、フロントウイングを何クリック変更しなければならないかという長い議論が行われた。マックスが主張したが、ジャンピエロは最終的に自分が正しかったとわかって喜んでいた」
「マックスと彼のレースエンジニアは、データエンジニアとともに非常に経験豊富だ。彼らは何をすべきかを分かっているし、マックスの好みを知っている」
「おおよそ正しい判断だった。第1スティントの後、最初のピットストップで少し調整しなければならなかっただけだ」