幼いころから知っている友人から怪しい宗教への勧誘を受けたら、あなたはどうするだろうか。東京都の30代後半の女性(事務・管理/年収200万円)は、そんな経験をした一人だ。
女性は「第一志望の高校に入学」したものの、体調を崩してしまい「定時制の高校に編入」することとなった。知り合いがいなく、友人ができるか不安だった中、思いがけず「家を引っ越す前に通っていた小学校で仲良しだった子」と同じクラスで再会を果たしたのだ。7年ぶりだったという。
「友人は7年前とは少し雰囲気が変わっていたものの、すぐに意気投合し、一緒に行動するようになりました」
と高校時代を振り返る。(文:長田コウ)
「停まっていた車に乗るよう指示されました」
最初の数か月は何事もなく楽しく過ごしていた2人だったが、しばらくすると、夜に友人から「近くの店の駐車場まで来ているから、会えない?」という連絡が来たそう。女性は、「たまたま近くまで来た友人が声をかけてきたんだろう」と疑いもしなかったが、行った先では信じられない光景が待っていたのだ。
「指定された駐車場に向かったところ、そこに停まっていた車に乗るよう指示されました。車内には二回りくらい年上の女性と友人が。なんと宗教の勧誘でした」
車内では、洗脳とも思われるこんな言葉をかけられたそう。
「あなたが今つらいのは先祖の霊が怒っているから」
「この数珠を買って毎週道場に通ってほしい」 「そうでなければ苦しみがずっと続く」
女性は何度も断ったが、車から出してもらえず、恐怖を感じたという。幸い、その日は車から脱することができたが、その日を境に友人からの駐車場への招きは続いたそう。友人の怪しい態度は、こんなところでも。
「学校で会っても他の友人の前では宗教の話を一切せず、私は『もしかしたら、他の友人もすでに宗教に入会しているのでは?』と疑心暗鬼になっていきました」
その後、女性は学校に通わず、高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定)を取得し、県外の大学に進んだ。友人と会いたくない、という心の表れとも言えるだろう。
当時をこう振り返る。
「もちろん、電話もメールもすべてブロックして。今思えば学校に相談したり、大人に介入してもらったり、色んな選択肢があったと思います。でも当時高校生だった私にはとてつもなく恐ろしく、とにかくもう友人と関わりたくない一心でした」
今は、友人と絶縁をして、平穏な日々を送れていることを願うばかりだ。
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