今年、F1参戦60周年を迎えるエンジンパートナーのホンダと組むレッドブルにとって、F1第4戦日本GPは特別なグランプリだ。
その特別なレースを前に、HRC Sakuraからいい知らせが届いた。前戦オーストラリアGPでダメージを受けたために、大事をとってマックス・フェルスタッペンの車体から降ろした1基目のパワーユニットについてだ。6コーナーの出口の縁石に乗ってフロアにダメージを受けたフェルスタッペン。フロアはフリー走行2回目までに修復できたが、パワーユニットは国際自動車連盟(FIA)によって封印されているため、勝手に修復作業を行えず、HRC Sakuraへ送って、特別な方法で解析を行った。
ホンダ・レーシングの折原伸太郎は次のように説明する。
「フェルスタッペンのほうはまだチェック中ですが、修復すれば使えると思っていて、修復を済ませた後はプールに入れる予定です。そのため、今回鈴鹿には1基目は持ってきていません。ということで、鈴鹿はオーストラリアGPの土曜日から使っている2基目を引き続き使用する予定です」
一方、チームメイトのセルジオ・ペレスは、この日本GPで2基目を投入した。その理由を折原GMはこう語った。
「鈴鹿はパワー感度が高く、日本GP以降はスプリント・フォーマットが2戦続くので、新しいパワーユニットを投入するのに相応しいグランプリではない。そのため、(3戦目以降で)新しいパワーユニットを入れるんだったら鈴鹿がいいというのが理由です」
フェルスタッペンも、もしオーストラリアGPでパワーユニットにダメージを与えていなければ、ペレス同様、この日本GPに2基目を投入する予定だったという。つまり、今回のペレスの2基目の投入は、フェルスタッペンのダメージとは関係なく、予定通りの交換だった。
そのホンダの地元である鈴鹿で、レッドブル・ホンダRBPTは初日ワン・ツー体制を築いた。フェルスタッペンはホンダとの関係を次のように振り返った。
「一緒にレースをし、チャンピオンを獲得できたことは忘れることができない最高の思い出だ。彼らのようなスタッフと仕事ができたことは僕にとって、最高の財産だった。僕たちはこれまでも多くの素晴らしいことを成し遂げてきたけど、これからも多くのことを成し遂げていくだろう」
オーストラリアGPで味わった今シーズン初の敗戦。彼らにとって、鈴鹿での一戦はその屈辱を晴らす戦いとなるだろう。