2024年04月04日 10:10 弁護士ドットコム
春は別れの季節でもあります。弁護士ドットコムニュースがLINEで別れをテーマに募集したところ、たくさんのエピソードが集まりました。その一つが、ある女性から寄せられた「毒親との絶縁」です。子どものころからお金を両親に"搾取"され続けていたという女性は、10年前に両親と絶縁したといいます。女性に今の気持ちを聞きました。
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「親戚からいただいたお年玉をすべて両親に搾取されていました」
そう語るのは、首都圏在住の女性(30代)です。女性によると、6歳から20代まで、親戚からもらった総額10万円のお年玉を両親にとられていたといいます。子どもにとって何よりも楽しみなお年玉。両親からもらえることはありませんでした。
"搾取"は、女性が成人して働くようになってから、さらにひどくなりました。
「お給料から毎月5万円くらいは搾取されていました。養育費の返済とか、老後の資金だとか言われました。実家で暮らしていた時は、毎日、お金の話ばかりで本当に嫌でした」
そう振り返る女性。当時付き合っていた男性と一緒に暮らすことになり、それを機に思い切って両親と絶縁したそうです。
その後、結婚した女性。絶縁から10年が経ち、どんなことを思っているのでしょうか。
「完全に絶縁できているわけではないから、不安はあります」
現在の民法や制度では、親子の縁を完全に切ることはできません。親であれば、子どもの住民票や戸籍の附票から、現在の子どもの住所を知ることができます。
ただし、いくつかの方法で親から遠ざかることはできます。女性はどのように絶縁したのでしょうか。
「役所や警察の方々の協力で、住民票の閲覧制限を受けさせていただいてます。閲覧制限の申請は手間がかかるけど、仕方ないですよね。日本では完全に親子や親族との絶縁ができないから。『法律を作ってほしいなぁ』と思ってます」
なかなか切れない親子の縁。なぜ子どもに絶縁されてしまったのか、両親が自分たちを省みることができればいいですね。