Text by CINRA編集部
映画『かくしごと』の本編映像、原作者・北國浩二のコメントが到着した。
『生きてるだけで、愛。』の関根光才監督にとって長編2作目となる『かくしごと』は、北國浩二の小説『噓』をもとに、子を守る母親の愛と嘘を描いたヒューマンミステリー。長年絶縁状態にあった父・孝蔵の認知症の介護のため田舎に戻った絵本作家の千紗子は、ある日、事故で記憶を失った少年の身体に虐待の痕を見つけ、少年を守るため自分が母親だと嘘をつき、少年と暮らし始めるというあらすじだ。6月7日公開。
主人公・千紗子役に杏、日に日に別人のように衰えていく父・孝蔵役に奥田瑛二、少年役に中須翔真がキャスティング。佐津川愛美、酒向芳、安藤政信が共演する。主題歌は羊文学“tears”。
本編映像には、千紗子が記憶を失った少年に「あなたのこと、教えてあげる」と切り出し、「あなたは私の子どもなの」「名前は拓未」と伝える場面が映し出されている。
また、本日4月1日エイプリルフールにあわせて公式Xでは「かくしごと」「嘘」のエピソードを募集する「#私のかくしごとキャンペーン」を4月21日まで開催。公式Xアカウントをフォローし、ハッシュタグ「#私のかくしごと」をつけてエピソードを投稿すると応募完了となり、抽選で5組10名に「完成披露試写会ペア招待券」がプレゼントされる。
さらに募集したエピソードから最もインパクトの強い「最強のかくしごと選手権」を開催。4月23日以降、公式Xのアンケート機能で順次投票を開始し、勝ち残ったエピソードから、杏、中須翔真、奥田瑛二が優勝を決定する。優勝エピソードの投稿者には「キャストサイン入りポスター」「ムビチケオンライン券」「原作本『噓』」がセットで贈られる。
【北國浩二のコメント】
これは葛藤の物語。親子の絆、犯罪、介護、認知症、虐待など多様な要素が複雑に絡むなか、登場人物それぞれが苦悩のうちに葛藤する。
なかでも主演の杏さんはその揺れ動く心を、また、母としての愛と決意を、さらには娘としての想いまで見事に表現し、惹き込まれる。
小説と違うラストシーンには、この先千紗子と少年がどういう道を辿るのかと想像力を掻き立てられた。
『嘘』ではなく『かくしごと』の世界は、人がふだん隠している感情が露呈し、罪や愛、怒りや悲しみ、後悔と希望、そしてやさしさがあふれ出す世界だ。
ぼくは何度か涙した。心を温めてくれる涙だった。