Kobayashiは、杉野服飾大学卒業後に渡英し、セントラル・セント・マーチンズ (Central Saint Martins、以下セントマ)でファッション・テキスタイルを学んだ。帰国後にアパレル企業やメンズウェアブランドで経験を積み、フリーランスのデザイナーを経てブランドを設立。選ぶ糸や編み方次第で多様なテキスタイルを生み出せるニットの自由さに魅力を感じ、学生時代からアートピースのようなニットウェアを制作してきたという同氏は、リインクでもニットウェアを中心に展開する。
ブランド名の由来は、Kobayashiの名前にもある「Rei」という文字を有する「再びインクを付ける」という意味の「reink」。過去のヒストリーやカルチャーに焦点を当て、リサーチや想像を重ねることで、ブランド独自のストーリーを作り服に落とし込むというコンセプトを表現している。
ファーストコレクションのテーマは、「Lunch atop a Skyscrapper」。1932年にニューヨークのロックフェラーセンターの建設中に撮影された白黒写真「摩天楼の頂上でランチ」に、「東京で忙しなく暮らしていると、日常の出来事の背景にあるプロセスを忘れがちだ」という感覚を想起したというKobayashiは、同写真が撮影された当時のことをリサーチする過程で出会った、同時期に活動していたペインターのフランツ・クライン(Franz Kline)が描く力強いドローイングに大きく聳え立つニューヨークの建物を重ねたという。コレクションのアイテムには、地上から見上げたり、作業現場から見下ろしたりと、写真の中の建設作業員たちが見ていたであろう様々な角度から見た建物の多様な表情を想像し、ビルが連なる景色を描いたポロシャツ(9万3500円)や立ち並ぶ建物をクローズアップしその陰影を表現したセーター(8万2500円)などドローイングのイメージを手編みで表現したアイテムや、作業員のワークウェアのディテールにフォーカスしたアイテムを揃える。