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釧路発上海行きがJALビジネスクラスで15,000マイル! あのエアラインは本当に「改悪」されたのかを検証する【橋賀秀紀のフカボリ!】

2024年03月26日 18:10  TRAICY

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2016年末にJALとマイレージ提携を開始した、アラスカ航空のマイレージプログラム「マイレージプラン」は数々の伝説を生み出してきた。

羽田発ロンドン、バンコク経由関空行きのファーストクラス(アジア内はビジネスクラス)がトータルで30,000マイルにはじまり、2023年2月までは、羽田発デリーまでのJALビジネスクラス片道25,000マイルなど、「日本発の国際線ビジネスクラスに少ないマイル数で飛ぶ」というユーザーのシンプルなニーズに最も応えてきたプログラムの一つであるといってよいだろう。

その「マイレージプラン」の"改悪"が発表されたのは、2023年11月のこと。その内容は2024年3月某日(具体的な日付は提示されず)、それまで航空会社によってバラバラだった特典航空券の必要マイル数を距離に応じて統一するというものだった。マイレージの世界は「少ないお金でたくさん飛んでマイルを稼ぐ」「少ないマイルで長い距離の特典航空券を発券する」という二大正義があるが、距離制はもちろん後者の実現を不可能とするもので、発表後内外のマイラーからは不評を浴びてきた。

マイレージプログラムのルールを決めるのはあくまで航空会社であり、我々ユーザーはそれをコントロールすることはできない。だから、改悪といくら訴えたところで何かを得られるわけでもない。その代わりにできることは、現状においてマシな選択肢はないのか、と検討することに尽きる。

マイレージプランの新しいチャートをみると、片道1,500マイル以内の特典航空券の必要マイル数が非常に少ないことがわかる。

エコノミークラスで7,500マイル、ビジネスクラスで15,000マイルである。これが1,501マイル~3,000マイルになると、エコノミークラスで25,000マイル、ビジネスクラスで50,000マイルといきなり3倍以上となってしまい、割損となってしまう。そこで"シン"アラスカ航空は短距離の特典航空券が狙い目のプログラムに生まれ変わったと考えたい。

日本在住者なら、やはり日本発の国際線、しかも有償航空券では非常に高いJALのビジネスクラスが狙い目となるだろう。そこで、1,500マイル以内で行ける路線を抽出してみた。

東京/羽田・東京/成田発着:ソウル(758マイル)、大連(1,042マイル)、上海(1,111マイル)、北京(1,313マイル)、台北(1,330マイル)

大阪/関西発着:上海(831マイル)、台北(1,061マイル)

名古屋/中部発着:上海(919マイル)、天津(1,112マイル)、台北(1,142マイル)

上海・台北に加えて、東京発なら北京行きも狙い目になるということだろうか。もし直行便が就航すれば、東京~高雄間も1,491マイルとなるなので、割安な路線として注目されることになるだろう。

ストップオーバーをうまく使いたい!

だが、これだけでは少し物足りない。要は1,500マイル内に収まればよいのだから、次のような使い方も可能となる。

釧路~(JAL普通席)~東京/羽田(ストップオーバー)~(JALビジネスクラス)→上海/浦東が片道15,000マイル(全区間エコノミークラスの場合7,500マイル、浦東はこのマイル数で収まるが虹橋では1,500マイルを超過する。)

沖縄/那覇~(JAL普通席)~東京/羽田(ストップオーバー)~(JALビジネスクラス)~上海が片道15,000マイル(全区間エコノミークラスの場合7,500マイル)

マイレージプランの場合、片道特典航空券でも1回無料でストップオーバーが可能となっている制度を利用したものだ。このストップオーバー、最大で14日間しか適用されないので、別々の旅行にするには、やや慌ただしい。それでも翌々週の週末までは分割できることから、なかなか休みはとれない人にとっては魅力的な制度になるのではないだろうか。

このほかにも、名古屋/中部・大阪/関西~(JALビジネスクラス)~ソウル(ストップオーバー)~(大韓航空ビジネスクラス)~台北といったルートも15,000マイルでカバーできる可能性がある(2024年3月26日時点では大韓航空の特典枠が表示されないため、検証できず)。

ストップオーバーをする場合は、アラスカ航空のサイトをデスクトップ表示にしてBook a flightを開く。「Multi-city」を選び、「Use miles」にチェックを入れることで検索できる。

また、今回の改定前から利用できたスターラックス航空の日本と台北を結ぶ9路線のうち、千歳・函館をのぞく7路線(仙台・成田・中部・関西・福岡・熊本・那覇)はこれまで通り、エコノミークラス7,500マイルから、ビジネスクラス15,000マイルから利用できる。

気をつけなくてはならない点がいくつかある。

一つは、これらの必要マイル数はあくまで最も低いものであり、状況によってはこれよりも多いマイル数が必要になるケースがあることだ。また、マイレージプランでは、出発地・到着地ともにアメリカ国外の場合、出発の72時間前までの発券が条件となるので、直前に乗るというわけにはいかない。

また、記事内でJALのビジネスクラスについて触れてきたが、いずれも短距離路線のため、便によってはJAL SKYLUXE SEAT(ボーイング737-800)、JAL SHELL FLAT NEO(一部のボーイング787-8)など、フルフラットにならないシートやライフラットのシートになる可能性もある。予約する場合は自分の便のシートをあらかじめ確認しておきたい。

このほか、マイレージプランでは、定期的に特典マイルの引き下げを行うそうなので、こちらも楽しみにしたい。