たとえ友人であっても、知られたくないことは誰にでもあるだろう。
福岡県の40代後半の女性(エンジニア/機械・電気・電子・半導体・制御/年収150万円)は、15年ぶりに実家に帰ったときに、地元の友人から個人情報を漏らされた。女性は「すごく傷ついたとともに、怒りがフツフツと湧きました」と憤る。(文:福岡ちはや)
「罪の意識もない彼女らに呆れ、今は一切の連絡も取っていません」
女性が実家に帰ったのは、夫と別居することになったからだった。女性は、
「24歳で結婚。26歳、27歳で年子を出産しました。全国転勤のサラリーマンの夫は転勤先でイキイキと仕事を楽しんでいましたが、私は見ず知らずの土地柄に慣れず、ワンオペ育児で苦戦。私が泣き言を言っても(夫は)『出た!悲劇のヒロイン!』などとまともに話も聞いてくれず、次第に夫婦に亀裂が入り、子どもたちが小学生のときに次の転勤と同時に別居へ」
と経緯を打ち明ける。事情が事情なだけに、地元に帰ったことをあまり周囲に知られたくなかった女性は「ごく一部の友人にしか話していませんでした」という。
別居から2年後に離婚が成立すると、女性はひたすら働く日々を送った。しかし、離婚のショックと両親からの辛辣な当たりが原因で、心と身体の調子を崩してしまったそうだ。35歳のときに職場の健康診断で「要精密検査」と書かれた女性は、職場と自宅の間にあるクリニックを受診。そこで、事務をしていた高校時代からの友人に偶然再会したのだった。
女性は「嬉しくもあり、戸惑いもありました」と当時の胸中を語る。窓口に出す健康保険証を見れば、家族構成から離婚の事実を悟られてしまうからだ。「受診をやめようか」と思ったものの、結局、女性は「もう1人の事務の方がとても気を遣ってくださっていたので、そのまま受診」したそうだが、これが間違いだった。
「数週間後、別の共通の友人から突然電話が。第一声に『あんた、いつ再婚するの?』と耳をつく声で言われ……」
「離婚の傷はまったく癒えてなかった」という女性は言葉も出なかった。クリニックで再会した友人は、電話してきた友人と仲が良く、「業務上知り得た情報を、友達同士だからと話したんだな」と、すぐにピンときた女性。
いくら友人同士でも、患者の個人情報を外部に漏らすのはあってはならないことだ。女性は「病院長に報告しようかとも考えましたが、黙っておきました」と言い、後日談をこう書いた。
「数年後、その友人から『とうとう結婚しました』という年賀状が。罪の意識もない彼女らに本当に呆れ、全員地元にいながらも今は一切の連絡も取っていません」
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