交通インフラを支える業務は、人の命にも関わる重要な仕事だ。ところが、そこで勤務する人たちは必ずしも安心安全な働き方をしていないかもしれない。
「夜勤の設定がおかしい……」
と語るのは、某大手鉄道会社で保線(線路のメンテナンス)の仕事をしているという30代後半の男性(千葉県/建築・土木技術職/年収700万円)だ。
「8時30分から19時までやや長めの日勤後、23時30分まで休憩、その後翌5時まで夜勤。これが通常」
と過酷な勤務実態を打ち明ける。朝から10時間半も働き、わずか4時間半休んだら再び朝まで5時間半働くわけで、凄まじい長時間労働だ。
天下りが今も当たり前で、下請けの幹部はほぼOB
その上、ろくに休憩が取れないことも珍しくないようだ。
「日勤の日、夜勤の日と区分けされておらず、夜勤勤務日は朝からぶっ通しの業務。その上で、19時から休憩を取るのは嘱託社員くらい……。ほぼ21時まで残業を付けずに業務している社員がほとんど……」
本来の働く時間は朝から19時までなのだろう。21時まで2時間サービス残業し、休憩もなく翌朝5時まで働く。ところが夜勤が終われば次の日は確実に休めるというわけでもないらしい。「翌朝5時の勤務開放後」も、職場で4時間程度の仮眠をして昼まで業務をしている社員が散見されるという。さすがに「ここは残業をつけている」というが、ほとんど1日半は職場に拘束されている。
仕事は天候などにも左右され、鉄道は毎日動いているため自分が休みの日も落ち着けない。
「雨、強風、雪、人身事故等あれば休みや非番関係なく呼び出しの電話。シフト制勤務なので、休みでも私用携帯に工事進捗や質問の電話もしばしば……」
と不満は並べればキリがないようだ。こんな問題も明かしている。
「天下りが今も当たり前で、協力会社(下請け)の幹部はほぼOB……。甲と乙の関係もほぼ無視で力関係が逆転している」
本来は男性が所属する元請け(鉄道会社)の力が強いはずなのに、下請けに頭が上がらないようだ。そのため、鉄道会社の仕事量が「膨大」になっていると嘆く。これでは、何のために下請け契約するのか分からない。なんとも働きづらい過酷な職場で、
「新卒採用者も4年程度で辞めていくが、補充はない。年収が高いから耐えてるだけで……本気でやってられない」
とギリギリの精神状態を吐露した。
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