Text by CINRA編集部
森井勇佑監督の映画『ルート29』が、今秋にTOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開。場面写真、コメントが到着した。
同作は詩人・中尾太一の『ルート29、解放』からインスピレーションを受けたロードムービー。森井監督は映画の舞台になった姫路から鳥取を結ぶ一本道の国道29号線を約1か月間旅して脚本を完成させた。他者と必要以上のコミュニケーションを取ることのできないひとりぼっちの主人公トンボが、風変わりな女の子ハルを連れて旅に出ることで、やがて彼女の心に喜びや悲しみの感情が満ちていく様子を描く。
主人公の清掃員・トンボ役を演じるのは綾瀬はるか。ハル役は森井監督『こちらあみ子』にも出演した大沢一菜が務める。撮影は飯岡幸子、照明は秋山恵二郎、録音は髙須賀健吾、美術は大原清孝、編集は早野亮、衣裳は纐纈春樹、ヘアメイクは豊川京子が担当。
場面写真はトンボとハルが旅の途中に立ち寄ったドライブインでの1枚。森井監督のメイキング写真も合わせて公開された。
【綾瀬はるかのコメント】
のり子の心は無限に広がりながら、人との交わりを閉ざしていく中で隙間も広がり、空っぽのようになってる人。風のようにゆらゆらとしながら過ごしていたある時、風がわりなハルと出会い旅をして、その途中奇妙な人たちとも交わり、のり子の心に吹く風も表情が変わりはじめます。悲しみの一滴、喜びの一滴と空っぽのような心も少しずつ満たされ、ハルとの旅も終わりを迎えていきます。どこまでが現実で、どこまでが非現実か、ハルとのり子の不思議な旅、冒険をご一緒するように観て頂きたいです。
(※のり子はトンボの本名です。)
【大沢一菜のコメント】
監督とまた一緒にやれると聞いて“やったー”と思いました。綾瀬はるかさんと一緒だと聞いてさらに“やったー”と思いました!撮影は暑くて大変でしたが、綾瀬さんと一緒にアクションごっこしたり、買ってきたチョコやお菓子を一緒に食べてくれて楽しかったです。
たくさんの皆さんに観てほしいです。
【森井勇佑監督のコメント】
この映画は、中尾太一さんが書かれた詩がもとになっています。ざわめきを感じる言葉たちに取り囲まれ、想像をめいっぱい広げて作りました。奇妙なものや不思議なものに触れること、そうすることでしか得られない生の実感があるのではないかという思いを根底において、現代のおとぎ話のようなものを目指して取り組みました。
トンボを演じた綾瀬はるかさんとは初めてのお仕事でしたが、ご自身のなかの宇宙が独特でおもしろい方だと感じました。その宇宙が、トンボという役をとても豊かなものにしてくれたのだと思います。綾瀬さんがあのときに生きたトンボという人間が、僕はとても好きです。
ハルを演じた大沢一菜さんは、どうしてそんな表情が出来るのかと思わされる驚くような瞬間が何度もありました。大沢さんとお仕事をするのは2度目ですが、新しい表情をたくさん見せてくれたこと、とても嬉しく感じました。
独創的な取り組みをしてくれたスタッフたち、生き生きとカメラの前に立ってくれたすべての出演者たちと一緒に、この映画を作れたことをとても誇らしく思っています。
これからご覧になるお客さまに『ルート29』がどのように届くのか、とても楽しみです。
©︎2024「ルート29」製作委員会