中東で開幕した2024年FIA F2は、サウジアラビア・ジェッダでの2戦目を終了。3戦目の舞台は、南半球のオーストラリア・メルボルンだ。すでに現地入りしている宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)に、3戦目に賭ける意気込みを聞いた。
今年からFIA F2を含む海外レースにチャレンジしている宮田にとって、オーストラリアはレースをしたこともなければ、観光でも訪れたこともない初訪問の地だった。
サーキットがあるアルバート・パークは、オーストラリアの古都メルボルン。日本との時差は2時間(メルボルンのほうが早い)だが、ヨーロッパ(西側)とは10時間もあり、FIA F2が開催される会場としてはヨーロッパとの時差が最も大きい。宮田が早めに現地入りしたのは、時差調整のためだった。
「移動はそんなに大変ではなかったですけど、ヨーロッパとメルボルンは時差が10時間ほどあるので、まだちょっと時差ボケは残っています。でも、これも時間が経つと共に解決されると思います」
オーストラリアに到着した週明けにはまだサーキットが閉鎖されていたため、コースをチェックしていないと言う宮田は、シミュレーターで走ってみた印象を次のように語った。
「少なくともコース幅はジェッダよりも広いですし、ラン・オフ・エリアもありますので、ジェッダを経験していることを生かせると思っています」
サウジアラビアのレースの舞台となったジェッダ・コーニッシュ・サーキットは、コース幅が狭いうえに高速コーナーが多く、わずかなミスが大事故につながる難しいサーキット。宮田にとって、難しい週末となった。
「(開幕戦の)バーレーン・サクヒールはテストができので、そんなに難しくはなかったんですが、ジェッダは市街地コースといっても高速でマカオとも違い、なかなかないタイプのサーキット。フリー走行で赤旗もあって走り込めなかったので、本当に難しい週末でした」
それでも、宮田はフィーチャーレース(決勝レース2)終盤にはファステストラップ争いを演じるなど、なんとか自分の走りを取り戻してレースを終えることができた。今週末は、その流れを維持しつつ、しっかりと結果を出したいと宮田は力強く語った。
「まず予選でトップ5に入りたいと思っています。そして、レースでもトップ5を目指したい。特に(トップ5に入ることができる)根拠はないんですけど、メルボルンでトップ5に入ることができれば、ヨーロッパに帰ってからもいいかたちでレースができると思っているので、そこ(トップ5)を目標に頑張りたい」
宮田のモチベーションを上げているのは、F1サウジアラビアGPでのオリバー・ベアマン(プレマ・レーシング/フェラーリ育成)の活躍が大きく関係している。
「(彼の活躍は)僕だけでなく、FIA F2を走っているみんなも刺激になったと思います。頑張れば、その先へ行ける、と。その近くの場所に僕たちもいるということを感じています」
「実は僕も日本で全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権に参戦していた時に、急きょ全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)に参戦する機会があって、その予選でトップ争いをして、レースでもポイントを獲得したことが、翌年のSFへのフル参戦につながったという経験をしていました。これからもしそういうチャンスが来たら、自分らしく頑張って成績を残していけば、そこへ行けるんだなということをあらためて感じられたので、いい刺激になりました」
メルボルンで宮田が自分らしい走りをすること日本のファンも期待している。