サウジアラビアGPでセンセーショナルなF1デビューを飾った4日後、オリバー・ベアマンは、フェラーリのプライベートトラック、フィオラノでのテストに参加、2022年型F1-75で周回を重ねた。
カルロス・サインツが虫垂炎で手術を受けなければならなくなったため、リザーブドライバーのベアマンは、急きょ2日目のFP3からサインツの代役を務めた。準備不足のまま臨んだベアマンだが、予選11番手、決勝では7位入賞と、素晴らしい結果を出した。
サインツが、次戦オーストラリアGPに向けて、長いフライトに耐え、2時間のレースを走り切るのに十分なだけ回復するかどうかは、まだ定かではなく、ベアマンが次戦も代役を務める可能性は残されている。
今週のフィオラノでのテストはかなり前から計画されていたものだったが、こういった状況を踏まえて、走行プログラムが一部修正された可能性もある。
チーム代表フレデリック・バスールは、以前からベアマンを2025年にF1にデビューさせたいと考え、そのための準備として、今年、F1-75を使ったプライベートテストを頻繁に行う計画を立てている。さらにベアマンは、シーズン後半には、ハースF1チームからフリープラクティスセッションに参加することが予定されている。ベアマンは、2023年のF1メキシコシティGPとアブダビGPのFP1にハースから出走、最終戦後のアブダビテストでもハースのマシンを走らせており、今年は同チームのリザーブドライバーの役割も担っている。
思いがけずサウジアラビアで突然F1デビューを迎えたベアマンは、非常に困難な状況の下で優れた成績を挙げた。これにより、ハースのみならず、その他のいくつかのチームが、ベアマンが2027年にはフェラーリのレギュラードライバーになる可能性を承知しつつ、それまでの2年間、自身のチームで走らせることを望むかもしれない。
3月13日、ベアマンは2022年型F1-75で走行、この経験は、もしもオーストラリアでもサインツの代役を務めることになった場合、大いに役立つことになるだろう。F1-75のメカニカルな部分は今年のSF-24と大きくは変わらず、パワーユニットについては2024年の電子管理システムを搭載したことで、ベアマンはデプロイメント、スタートシステムなどに関して多くのことを学ぶことができる。
当初のプランに変更がなければ、今週のテスト2日目には、ベアマンと同様にリザーブドライバーを務めるアントニオ・ジョビナッツィが乗ることになるだろう。ジョビナッツィは、F1-75で走行することで、シミュレーション作業に役立つ経験を得ることができ、フェラーリのレギュラードライバーの代役を務める機会への準備をすることができる。