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「トーキングアバウト ジ アブストラクション」が再始動、大戦デニムをベースにした転写アイテムなど約40型

2024年03月13日 15:31  Fashionsnap.com

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 デザイナー 市原直樹が手掛ける「トーキング アバウト ジ アブストラクション(TALKING ABOUT THE ABSTRACTION)」が、2024年秋冬コレクションで約4年ぶりに再始動する。7月からセレクトショップなど展開店舗で順次取り扱いを開始する。

 トーキング アバウト ジ アブストラクションは、デザイナーの市原が2001年に大阪でスタート。世界中のヴィンテージウェアや民族衣装、アンティークなどから着想を得たウェアのほか、ブランドの代名詞ともいえる精巧な転写プリントのアイテムなどを展開し、広く支持を集めた。新型コロナウイルスの感染拡大や、目まぐるしいファッション業界の流れの中に身を置く疲れなどから2020年春夏シーズンをもってブランドを休止していたが、「メゾン ミハラヤスヒロ(Maison MIHARA YASUHIRO)」のデザイナー 三原康裕にコラボレーションを持ちかけられたことをきっかけに一念発起。約4年ぶりにブランドを再始動した。

 2024年秋冬コレクションでは「GOOD OLD NOW」をテーマに、市原が10~20代の頃に衝撃を受けた服や音楽、カルチャーから着想を得た転写プリントアイテムなど40型程度を展開。2023年春夏コレクションを最後に惜しまれつつ終了した某ブランドの初期の希少なMA-1をデータ化して転写したアウターや、「大戦デニム」と呼ばれるレアアイテムをはじめとする1940~1970年代のヴィンテージデニムをサンプリングしたイージーパンツといった、往年の名作からインスピレーションを受けたアイテムもラインナップする。「ヴィンテージの名作は現在手が出ないほど価値が高騰しているが、転写アイテムなら気軽に手に取れる。世代的に接点がなかった人にもこれを機に興味を持ってもらえたら」と市原。

 価格帯は、アウターで10万円前後、トップスで2万円前後、ボトムスで3万円前後、小物で3万円前後、シューズで4万円前後。原材料価格の高騰や円安などを受け、休止前と比べて多少値上がりしているが、大きな変更はないという。
 販路については、再始動を機に休止前から取引先を一新。SNSで展示会の開催を告知したところ、多くの業界関係者から問い合わせが殺到し、既に国内セレクトショップなど30アカウントほどで取引が決まっているという。現時点で直営店やECサイトの立ち上げ予定はなく、当面は卸売に注力していく方針だ。

 今後は、春夏と秋冬の年2回、新作コレクションを発表予定。再始動に際し、市原は「ファッションの最前線に戻ってきて、今はなんだか懐かしい気持ち。やはり服作りは楽しい」とコメント。海外進出やランウェイショー開催も視野に入れているといい、「一度現場を離れたので、オールドルーキーのようなフレッシュな気持ちで頑張っていきたい。ファッション業界を盛り上げる一助になれたら」と前向きに語った。