咲坂伊緒作品の展覧会「咲坂伊緒展 アオハルノキオク」が、本日3月12日から24日まで東京・松屋銀座8階のイベントスクエアで開催される。開場前には、内覧会とオープニングイベントが行われた。
【大きな画像をもっと見る】「青春のキオク」をテーマに、咲坂作品で描かれる恋愛模様やキャラクターの細かな心情の変化が展示を通して紹介される同展。入り口に掲出された咲坂からのメッセージには、「正直まだまだ拙さが目立つ頃の作品もみなさまにじっくりお見せするのは、かなり気恥ずかしいものですが、それでもこの原画展を喜んでくださる方が少しでもいらっしゃるならば、私のテレなんか一旦脇に置いておこうと、お引き受けした次第です」と綴られている。
第1章では「ストロボ・エッジ」「アオハライド」「思い、思われ、ふり、ふられ」「サクラ、サク。」より、物語の始まりのシーンをピックアップ。各キャラクターの紹介には、咲坂のコメントが添えられている。また前述の4作品は同じ鉄道沿線上の違う街で展開されることから、作中に登場する場所を1つの地図にマッピング。それぞれの高校に自宅にバイト先、思い出のスポットまで記された。
第2章は咲坂作品に登場する印象的な言葉たちをフィーチャー。選りすぐりの35シーンが、キーとなるフレーズと原稿で紹介される。「ストロボ・エッジ」からは「恋って…だけどイヤじゃないの」「切なくて死ぬ」「『好き』が積もる」「いつか羽が生えて」、「アオハライド」からは「許されたかったんだ」「じりじりと探り合う」などのフレーズが取り上げられた。ここでも一部原画は咲坂のコメント付きで、執筆時の裏話が明かされている。
第3章のエリアには作品の垣根を越え、咲坂作品の男性キャラクターたちが大集合。ベルベットのような高級感あるえんじ色の壁に、一ノ瀬蓮、安堂拓海、馬渕洸、菊池冬馬、山本理央、乾和臣、桜陽希、井竜奏多のパネルが掛けられている。第4章ではカラー原画を多数展示。第5章では下絵やネーム、Q&Aを通して、創作の秘密が紹介されている。Q&Aで咲坂は「作品を描くとき、キャラクターと同じ目線で考えますか? それとも引き目?」「各品を振り返って思うことは?」などの問いに答えた。
オープニングイベントには少女マンガ好きのニッチェが出席。江上敬子は「サクラ、サク。」、近藤くみこは「ストロボエッジ」が咲坂作品の中で特に好きだという。咲坂作品の魅力を聞かれると、近藤が「まず絵が素敵。ジャケ買いした人もいっぱいいると思う」と回答。江上は「心理描写がすごく細かい。胸キュン描写だけでなく、友達との関係性とかクラスの中での立ち位置とか、高校生の頃に自分もこんなふうに思ってたなということを繊細に描いてくれてる」と話す。しかし最終的に咲坂作品の魅力は「やっぱりイケメン」と2人の意見が一致。近藤は「主役もいいけど脇役もいい」と言うと、江上も「当て馬がこのクオリティ!?って思いますよね。靡いちゃう読者も多いんじゃないかな」と盛り上がった。
オープニングセレモニー前に展覧会を巡り、スタッフに何度も急かされるほどじっくりと見入ってしまったという江上は「原画に修正のホワイトとかがほとんどない! 先生の画力を改めて感じました」とコメント。近藤は4作品の舞台をマッピングした地図にテンションが上がったと話す。ノートに書かれた直筆のプロットも印象的だったそうで、2人は「誰にも見られないかもしれないのにすごくきれい」「文字の頭が揃っている!」と感動を伝えた。
また近藤は第3章を「よだれゾーン」と命名。ホストクラブのパネルのような展示に、2人は「誰にドンペリ入れる?」とキャッキャする。司会にどのイケメンを選ぶか聞かれると、江上は「井竜くん。今までいろんなツンデレを見てきたので、もう普通のツンデレでは響かない。井竜くんは“ツンツンツンツンデレ”じゃないですか。どこまでツンするの?っていう加減が絶妙」と回答。近藤は「本当は菊池推しでしたが、よだれゾーンに来たら陽希がカッコいいなと。身体のサイズ感とか肩幅のバランスが最高。咲がまだ恋を自覚していないときに『陽希の肩から腕のライン好きかも』と思う描写がありましたが、あれと一緒じゃん!となりました。皆さんもよだれゾーンで推しが変わるかもしれない」と話し、これから訪れる来場者の期待を膨らませた。
■ 「咲坂伊緒展 アオハルノキオク」
日程:2024年3月12日(火)~24日(日)
時間:11:00~20:00 ※入場は閉場の30分前まで。最終日は17:00閉場。
会場:東京都 松屋銀座8階 イベントスクエア