isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
2024年上半期の占いも公開しているので、ぜひ併せてチェックしてくださいね♡
今週の星座占いを全文読みたい方はこちらをタップ 今週のおひつじ座の運勢illustration by ニシイズミユカ
道に迷った先で
今週のおひつじ座は、遠いところへ意識が運ばれるような匂いを不意に嗅ぎつけていくような星回り。
「私が生れたよりももつと遠いところへ。そこではまだ可能が可能なままであつたところへ」(『九鬼周造随筆集』)。
これは哲学者の九鬼周造が、別の自分でもありえたのかもしれないという人生の根底でうごめく感情について言い表した一節なのですが、こうした思いは幾つになっても、いや年齢を重ねれば重ねるほど、不意に頭をもたげてくるものなのではないでしょうか。
あなたもまた、どこまでがただの偶然で、どこからが運命だったのか、しみじみと九鬼の言い表した感情に浸ってみるといいでしょう。
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火を使ってビジョンを作ろう
今週のおうし座は、本来見えないはずのものを見ていこうとしていくような星回り。
『ゆらぎ見ゆ百の椿が三百に』(高浜虚子)という句のごとし。
物理的には本来見えるはずのないもの(光景)が、ふっと目に浮かんで見えてしまうという点では、文芸のわざも占いのわざも同じであり、それは特別な霊能力とか一握りの人間にのみ可能な才能の賜物というよりは、ごく普通の日常的な営みの延長線上にある、ほんの少しの意識の飛躍なのではないでしょうか。
あなたもまた、そうした意識の飛躍をみずからに引き起こしていくべく動いていきたいところです。
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考えた訳じゃない、稲妻が走っただけ
今週のふたご座は、自分のやらんとしている仕事について明確に言語化していくような星回り。
「それをはじめた者がまた最もよくそれを仕上げうる者であるような仕事が世にあるとすれば、それこそ私のやっている仕事なのである。」という一節は、17世紀フランスの哲学者デカルトが『方法序説』に書いた一節。
デカルトがここで言っている「仕事」というのは学問の改造でしたが、同時に彼の野心でもありました。
あなたもまた、デカルトの姿を追うように、他ならぬ自分がはじめ、自分の手で仕上げられるような仕事とは何かということを、改めて考えていくべし。
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狭い<私>を越えて
今週のかに座は、末永く見守っていきたいと思えるようなものに突き当たっていくような星回り。
『たんぽぽや長江濁るとこしなへ』(山口青邨)という句のごとし。
春になって、たんぽぽが咲いている。その前を、ゆっくりと長江が流れている。はるかな昔から、未来永劫変わることがないであろう長江の濁り。その流れは、人の一生や人が作りだす文明のスケールを超えた悠久の時間の流れをも思い起こさせる。
あなたもまた、意識の表層で近視眼的に凝り固まりがちなまなざしを、できるだけ遠く深くへと解き放っていくべし。
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未知への超越
今週のしし座は、ぶらぶら歩きの道すがら、未知のものの感触に自分を委ねていこうとするような星回り。
もはや「自己実現」という言葉は、あらゆる年代で当たり前のように使われるようになりましたが、一方で、自分というものから下りたい、特定の目的や役割と分かちがたく結びついてしまった自分を解除してしまいたいと思うこともあるのではないでしょうか。
あまり意味のあることばかりしたり、人生を堅固なものにしようとしていると、移ろいやすいもの、傷つきやすいもの、滅びやすいものが眼に入らなくなるという意味で、それしかできないというのは無能力の証しなのかも知れません。
あなたもまた、自分を閉じるのではなく開くことがテーマとなっているのだと言えます。
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関係の秘密
今週のおとめ座は、みずからの尊厳を守るため、一時的な協力関係を結んでいこうとするような星回り。
『菜の花は触れ合ひながら隠し合ふ』(宮﨑莉々香)という句のごとし。
多感な精神を持て余した少女たちがしばしば生きていることそれ自体に鋭い痛みを抱えてしまうように、おそらくは春の野を黄色に染める「菜の花」たちもまた、どこかに存在の哀しみを宿しており、それを互いに手を伸ばし合う中で、巧妙に隠しているのです。
あなたもまた、そんな菜の花たちにおのずと自分を重ねていくことになるかも知れません。
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詩人の仕事
今週のてんびん座は、夢を巧妙に隠しておくことは、もはや大人の節度などでないのだと、改めて自身に言い聞かせていこうとするような星回り。
「ぼくは20歳だった。それがひとの一生でいちばん美しい年齢だなどとは誰にも言わせまい。」これは20世紀フランス文学のなかでも最もよく引用されるであろう作品の1つである、ポール・ニザンの青春小説『アデン・アラビア』の冒頭の一節です。
「あの頃はよかった」という過去への虚飾や、まだ「大人」でない者に美しいイメージばかりを押しつけることで現在のみじめさを埋め合わせようという欺瞞(ぎまん)は、今後はますます成り立たなくなっていくはず。
あなたもまた、みずからの「青春」は他ならぬ今や今後にこそあるのだという感覚を、改めて深めていくことがテーマなのだと言えます。
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魔術的に何かに引き込まれていくということ
今週のさそり座は、神の荒ぶる息吹きに触発されていくような星回り。
『猪がきて空気を食べる春の峠』(金子兜太)という句のごとし。山で遭遇する猪は、とにかくでかい!獣臭もすさまじい。目も野獣のそれ。なにより、特異なのはその息遣い。実際に耳にしたことがある人ならば、はるか古代から日本の山々を支配してきた凶暴な巨大生物であるということが、その息遣いだけで実感されてくるはず。
一方で、掲句にはどこか気抜けしたようなところもあります。「春の峠」という、いかにも童話に出てきそうな状況設定が、どこかゆるんだ空気感を作りだしている。しかし、それでも決して油断してはいけません。
あなたもまた、全身の細胞が活性化していくような良い意味での緊張感と胸の高鳴りとを、自身のバイブスに持ちこんでいくべし。
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ここより高い場所へ
今週のいて座は、日経平均だけでなく幸福の相場もまた、上昇させていこうとしていくような星回り。
20世紀を過ぎて、アリストテレスから近代のモラリストたち、そして功利主義まで伝統的に書き継がれてきた幸福論はぱたりと書かれなくなり、代わりに不幸論や苦悩論が盛んに書かれるようになりました。
ただ、一方で寺山修司は「幸福の相場を下落させているのは、幸福自身ではなく、むしろ幸福という言葉を軽蔑している私たち自身にほかならない」と言い、さらに「幸福が終わったところからしか『幸福論』がはじまらないのだとしたら、それは何と不毛なものであることだろう」と続けたのです(『幸福論』)。
あなたもまた、みずからに訪れた幸福や、これからつかみ取りたい幸福について、そのイメージを春の空気のようにたおやかに広げていきましょう。
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存在そのものへの転び
今週のみずがめ座は、だんだんアホになっていく自分をしみじみ実感していくような星回り。
『尻餅をついて掴みし春の草』(安積素顔)という句のごとし。作者は中途失明の盲俳人。
どこか哀れさとユーモアとが入り混じったような掲句の空気感には、硬質な淋しさを含んだ秋のあわれとは異なる、いかにも「春のあわれ」としか言いようのない、しみじみと人と人との境界線を侵してくるような愛らしさが漂っているようです。
あなたもまた、そうした「春のあわれ」に身を浸してみるといいでしょう。
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はらわたを優しくつかむ
今週のみずがめ座は、間違っても上手に書こうとか、周囲の目を気にしようなどという考えなど、脇に置いていこうとするような星回り。
現代社会は、そもそも言葉が多すぎる。黙っていられない人、言葉の不在を恐れる人、思ってもいないことを平気で上手に書いてしまう人。そうした人たちは言葉が途絶えることに不安を感じ、間が持たないことに焦れ、言葉をきちんと感じる前に継ぎ足していくことで、かえって虚しさを増大させてしまうのです。
言葉はいつだって舌足らずで、もどかしさが憑き物ですが、何でもないような時に、またふっとその続きが思い浮かんできたりもする。とにかく、意識して書こうとすると、途端にダメになってしまうものなのです。
あなたもまた、まさにそうした何かを語ること、自分の言葉にしていくことの不思議さに感じ入っていくことがテーマなのだと言えます。
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大河の一滴として
今週のうお座は、自分という器にさまざまな感情や思いが流れ込んで一つになっていくような星回り。
『三月の甘納豆のうふふふふ』(坪内稔典)という句のごとし。3月と言えば「ひな祭り」に、甘いお菓子の「甘納豆」、そして「うふふ」という笑い方。それらに共通してにじみ出ている女性性で、句全体をなんともまろやかに1つに包み込んでいる。
不必要な説明的な言葉を極限までそぎ落としつつも、ちゃんと口ずさんで楽しい一句になっているあたりは、作者の熟練の技と言えるでしょう。
あなたもまた、つまらない理屈や事実や正義などまるっと笑いで包み込んでいくべし。
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