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「声優アワード」浦和希が「世界一の声優になる!」と宣言、市ノ瀬加那はスレッタに感謝

2024年03月09日 23:28  コミックナタリー

コミックナタリー

「第十八回 声優アワード」授賞式の様子。
「第十八回 声優アワード」授賞式が、本日3月9日に東京・文化放送メディアプラスホールで開催された。

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授賞式は新人声優賞の発表からスタートし、「【推しの子】」でルビー役を務めた伊駒ゆりえ、「AYAKA -あやか-」で天乃夜胡役を務めた榊原優希、「チェンソーマン」でデンジ役を務めた戸谷菊之介、「すずめの戸締まり」で岩戸鈴芽役を務めた原菜乃華、「僕の心のヤバイやつ」で山田杏奈役を務めた羊宮妃那が登壇。伊駒は「私が最初に受けたTVアニメのオーディションが「【推しの子】」という作品のルビー役でした。まだ何も知られていない私の可能性を信じて、ルビーちゃんの声を託してくださった皆様のおかげで、声優として大きな一歩を踏み出せたと思います」と感謝を語る。続く榊原は「まだふわふわしていて夢のような感覚」と実感が湧かない様子を見せながらも、「まだまだいろんなことを吸収して経験して成長していきたいと思っておりますので、これからも見守ってください」と意気込みを語る。

「すごく緊張している」と述べる戸谷は「新人声優賞を受け取ったことはこれからの自信につながる。これからも自信を持ってよいお芝居、声を届けていきたい」と決意を明かす。普段は俳優として活躍する原は「『すずめの戸締まり』という作品で声優にチャレンジさせていただいて、たくさんの方々に一から十まで教えてもらって演じ切ることができました」と感謝を述べながら、「私なんかがいただいていいのかという気持ちも大きいですが、この賞に恥じないように、精一杯お芝居していけたら」と続ける。そして羊宮は「今すごくとっても重たい、とても温かい賞をいただけています」と受賞の喜びを噛み締めながら、「うまく言葉がまとまらないですが、これからもキャラクターたちとともに歩んでまいりたいと思います」と締め括った。

歌唱賞を受賞したのは、TVアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」に登場するバンド・結束バンド。ステージには、後藤ひとり役の青山吉能、伊地知虹夏役の鈴代紗弓、山田リョウ役の水野朔、喜多郁代役の長谷川育美が登壇し、メンバーを代表して長谷川が感謝の気持ちを表した。「結束バンドの音楽が大好きです。歌わせていただくたびに、こんな夢のような時間があっていいのかと思って歌ってます」と語る長谷川。活動は初めての経験ばかりでプレッシャーもあったという長谷川は「これから先、どういう道をたどっていくのが想像がつきませんが、これからも結束バンドのロックを届けていきたいです」と今後の活動への意欲も述べた。

作品として声優の魅力が最大限に発揮された作品に贈られるシナジー賞は、劇場アニメ「THE FIRST SLAM DUNK」が受賞。作品を代表して宮城リョータ役の仲村宗悟が登壇し、「何十年何百年先、僕らがいなくなっても作品はみんなの心に残っていると僕は信じてます」と、仲村は受け取った賞に対する思いを述べる。続くゲーム賞は、「ファイナルファンタジーXVI」のクライヴ・ロズフィールド役の内田夕夜に与えられた。内田は「クライヴという役は少年期、青年期、壮年期と別れていて、少年期を担当した内田雄馬さんと一緒にもらえた賞だと思っています」と喜びを語る。また子供たちの視点で選ばれたキッズファミリー賞は、「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」のキャスト一同が獲得した。

今回から男女別が統合された、各方面で活躍した声優を讃える富山敬・高橋和枝賞には岡村明美と佐々木望の2人が選ばれた。岡村は「大好きな先輩がおひとり天国に行きました。その先輩を追うようにがんばってきたんですが、これからは『お前が追われるような背中になれ』と、この賞をもらって今日とても痛感しました」と胸の内を明かす。「私たち声優は、声優、監督さん、原作の先生、スタッフさん、みんなで大きな船に乗って進んでいるんだと思ってます」と語る佐々木。「逝去された方もいらっしゃいますが、誰も残していくことなく、1つの船で進んでいるというイメージを持ってます。その船の一員であることを光栄に幸せに思います」と喜びを噛みしめた。

長年にわたり多くのジャンルに貢献した声優に贈られる功労賞は、古川登志夫と山田栄子が受け取る。古川は「晴れがましすぎる受賞ですが、一方で率直にうれしく思っております」と素直な気持ちを明かす。さらに鳥山明とTARAKOの訃報に触れ、「声優の地位、日本のポップカルチャーコンテンツの価値を高めてくださったおふたりに、哀悼の意を込めてご挨拶させていただきます」と語る場面もあった。また山田は「私事ですが、癌の手術を2回しまして、引退を決意しました。そのとき、NHKのプロデューサーからの『私が責任持つから、せめてこの番組だけでも続けてみたら』というお言葉に甘えて、人形劇の声だけは続けさせてもらいました」と振り返り、「それから10年が経ち、再発の心配もなくなり、あちこちでたくさんの舞台に立ちました。81プロデュースの南沢(道義)社長に『ウチに来ないか』と誘われまして、拾っていただきました」と多くの人たちの助けがあり、現在の自分がいると感謝を綴った。

さらに各SNSで最も印象に残った声優に贈られるインフルエンサー賞に輝いた上坂すみれは、受賞に驚きの表情を浮かべながらも「『それでは皆さん、本日も健やかにお過ごしください』という言葉をご挨拶に使わせていただいておりますが、健やかでいるのは簡単なようでいて難しいこと。私の投稿などを見て、少しでも皆さんにパワーを差し上げられたら」とコメント。また外国映画・ドラマ賞に選ばれた高畑充希は「声だけですべてを表現される声優さんをものすごくリスペクトしつつ、声優という仕事には苦手意識がありました」と受賞を恐縮し、「私には荷が重いかもしれないとも思ったんですが、こういう形でご褒美をいただけて。宝物にします」と述べる。同じく賞を受け取った村井國夫は、「声優で賞をいただけるとは思ってなかった」と率直な感想を語りながら、「インディ・ジョーンズ」シリーズで演じたジョーンズ役のハリソン・フォードとのエピソードも明かした。「ファンが選ぶ最も活躍した声優」に贈られるMVS(Most Valuable Seiyu)を受賞した中村悠一からは、「選んでいただけたのも作品ありきと思っておりますが、これからも役者として関わる励みとして受け取らせていただきたいと思います」というメッセージが到着した。

助演声優賞で名前が呼ばれたのは、阿座上洋平、石見舞菜香、能登麻美子の3人。「僕の阿座上という苗字は母からもらった大切なつながり」と語る阿座上は、20年前に父親を癌で亡くしその後、女手1つで育ててくれたという母親への感謝を語る。さらに「父と母が大切にしていたことがありまして、誰かを助けることなんですよね。『助演』という言葉が僕には誇らしいです」と胸を張る。続く石見は込み上げる涙を堪えきれずに、「緊張とトロフィーの重みを感じて、胸がいっぱい」と声を震わせる。また第13回の声優アワードで新人賞をもらったことを振り返り「そのときも夢のような気持ちだったんですけど、こうしてまたこのステージでお話しできる人生になるとは思わず、本当に光栄に思っております」と感謝を述べる。そして能登は「ご縁があって声優という職業をやらせていただいて20数年経ちますけども、お芝居は本当に難しくて、果てがなくて、その中で日々これが今日の精一杯と思いながら積み重ねてきました」とこれまでの声優人生を振り返り、「作品づくりの一端を担えているのはこの上ない喜びであり、幸せであり、続けられる限り精進していきたいと思います」と伝えた。

最後の発表となる主演声優賞は、市ノ瀬加那と浦和希が受賞。まず先に登壇した市ノ瀬は、「私にとってアニメは幼少期のころからずっと当たり前に隣にあった、そんな存在です。アニメに勇気をたくさんもらって、今まで生きてきたので、そんなアニメの声優としてここまでくることができて幸せです」と喜びを噛み締める。この場に自身が立てているのは「機動戦士ガンダム 水星の魔女」で演じたスレッタのおかげだと感謝を述べ、さらに「まだまだ未熟な私ではあるんですが、自分なりの一歩を歩んでいけたらと思います」と今後への熱い思いも見せた。

続いて登壇した浦は「主演声優賞という形で評価いただけたこと、うれしく思ってます」と感謝しながらも、最初は信じられない気持ちが大きかったと述べる。しかし「スタッフさんと一緒に面白いものを作り上げていた自負もありましたし、スタッフさんたちのがんばりがこのような形で評価していただけたんだなと思います」と、多くの関係者とともに得た賞であると納得していると語る。さらに自分が声優を志した理由について振り返り、「人生のどん底だった時期に見たアニメの主人公の、福圓美里さんのお芝居に心を打たれて、そんな心を震わせるお芝居をしたいと思って声優を目指しました。そんな昔の自分みたいな人たちに、心を震わせられるようなお芝居を届けていきたい」とコメント。最後には「これからも世界一の声優を目指して、いえ、世界一の声優になります!」と大きな決意表明をし挨拶を締め括った。

なお授賞式の冒頭には、鳥山とTARAKOの訃報に対するコメントも。司会進行の長谷川太アナウンサーが「この業界のあまりにも大きな存在であるおふたりのご逝去、悲しみに耐えません。哀悼の意を込めて、黙祷を捧げたいと存じます」と述べ、アニメ業界に起きた悲しい出来事への黙祷が捧げられた。