優秀な人材を採用するためには、できる限り応募者を尊重するべきではないだろうか。そうしないと数年経ってから後悔することになりかねない。
愛知県に住む40代後半の男性(素材・化学・食品・医薬品技術職/年収600万円)は、「今から25年くらい前の就職氷河期真っ只中のころの話です。 採用側が力のある時代で、現代とはモラルも全く違う時代でした」と就活の経験談を振り返る。
その会社の役員面接は「圧迫面接」だったという。面接官は、当時20代の男性のプライベートをえぐるようなことを言ってきた。
「御社が意味が無いと思うのは勝手ですが、学生に言う事でしょうか?」
「一年くらい前に父が他界したのですが面接時に私の家族構成を見て、『片親はね~』とか『片親だから』と関係ない内容で攻めてきました」
若いとはいえ、もう大人の男性に対して、片親だから何だと言うのだろう。差別的な発言を受けながら、それでも男性は「立場が下なので差し障りの無いようにかわしながら」面接を受け続けた。しかし、面接が進んでいくと、今度は
「そんな研究はやっていても意味がない、世の中の役立たないとか言われ放題」
と大学で一心に取り組んできた研究を馬鹿にされてしまった。ついに男性は「こんな会社もういいや」という気持ちになり、こう言い返した。
「この研究は海外の企業も実用化に向けて今取り組んでいます。御社が意味が無いと思うのは勝手ですが、その研究しかしていない面接を受けに来た学生に言う事でしょうか? もっと前向きな面接にしていただきたいです」
すると相手は、「片親の子は口の聞き方も教わってないのか!礼儀がなってない」と激怒。そこで面接は終わり、結果は「もちろん不合格」だったという。
しかしその数年後、男性の悔しさが晴れるときが来た。
「海外企業が(その研究を)実用化し、世界的にも広まった製品が世に出ました。 その時『ざまあみろ!』ってスッキリしたのを覚えています」
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