東京ベイエリアにオープンした「シティサーキット東京ベイ」(CITY CIRCUIT TOKYO BAY)は、学生が友達と遊びに行っても楽しい場所なのでしょうか? EVカートの乗り味は? 1周7分で満足できる? 慶應義塾大学自動車部(現在は引退)の学生ライターが体験してきました!
施設が充実! 女性にも初心者にもオススメ
シティサーキット東京ベイは2023年12月、東京・お台場のパレットタウン跡地にオープンしました。EV(電動)レーシングカートでコースを走行できます。東京23区内では唯一のサーキットとなるそうです。ゆりかもめの「青海駅」に直結していてアクセスは良好! 営業時間は平日12時~20時、土日10時~20時なので、お仕事帰り・学校帰りのストレス解消に最適かも……?
料金は7分走行(大人)で平日3,500円、土日4,000円という設定。一見すると「高い」と感じるかもしれませんが、実はお値段以上の体験ができることがわかりました。詳しくは記事後半で紹介させていただきます!
施設はオープンしたばかりで綺麗ですし、女性でも使いやすいよう随所に工夫が盛り込んであります。例えば、EVカート走行でエキサイトしても終わったらすぐに汗を流せるシャワー室、そして、ヘルメットやフェイスマスクなどで乱れてしまったメイクや髪を直すことができるパウダールームを完備しています。これなら、お友達と会う前に立ち寄っても問題なさそうです。
自動車部の活動を通じ、これまでにいろいろなサーキットや走行場に足を運んできましたが、ここまで綺麗でハードルの低い場所はめったにありません。女性がモータースポーツデビューを飾るのにオススメの施設だと思います。
1枠7分のサーキット走行で満足できる?
1枠7分という走行時間は短いように感じますよね? これで満足することができるのか、実際に体験してみました!
最初に答えを申し上げると、めちゃくちゃ満足できます!
使用するEVカートのハンドルは、実は皆さんが普段運転している車両よりもかなり重いんです。重さとしては体感、普通車と中型トラックの間くらいでしょうか。そのため、7分もサーキットを走行すれば、慣れていない人なら手のひらを含め普段は使わない筋肉に心地よい疲労が感じられるはずです。
走行中はアクセルとブレーキを踏みかえる動作が頻繁に発生します。EVカートは普通のクルマよりも後傾姿勢になり、足を伸ばした姿勢で運転します。この姿勢でペダルを素早く踏みかえるのは、かなりのトレーニングになりますよ!
お台場という立地から、ホームストレートでは遠くにそびえるタワーマンションに向かってアクセル全開で突っ込んでいくような気持ちになります。これがとっても爽快なんです!
家族や友達と行けばもっと楽しいかも?
家族や友人と一緒に走れば、更に盛り上がる要素もあります。コース上でデッドヒートを繰り広げられるのはもちろん、1週するたびにラップタイムが確認できるので、次の週でタイムをどれだけ刻めるか挑戦したり、友人とのタイムの開きを見て競争心を燃やしたりといった楽しみがあります。EVカートはエンジン車に比べると音が静かなので、コース上でライバルの叫び声が聞こえたりもするそうです。
コース自体の難易度設定も適度で、初心者はもちろん、熟練ドライバーの方でも面白く走れると思います。ストレートではベタ踏みできますし、最初のコーナーに差し掛かる際には、いかにブレーキングポイントを遅くできるか、いかに立ち上がりで素早くアクセルを踏み込めるかが勝負を分けます。ヘアピンなどテクニカルなコーナーもあるので、まずは高いところからコースを眺めて、戦略を立ててから走るのも面白いです!
自分のアカウントを連携させれば、オンラインでタイムを確認することも可能です。何度も訪れてタイムを縮めていくのはモータースポーツの醍醐味でもありますちなみに、開業からこれまでの最速ラップタイムは約31秒とのこと。最速を目指して突き進むのもアリですね。
人気遊園地のジェットコースターは乗るのに2時間ほど並ぶこともありますし、乗ってしまえばあっという間に終わってしまいます。何が起こっているのか分からないまま終わってしまうことも多いですよね。その点、EVカートは自分で操作している感覚・手ごたえがありますから、得られる満足感も大きいはずです。
サーキットは安全?
モータースポーツと聞くと「危ないのでは?」と感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。F1のレース結果はあまり報道されないのに、クラッシュシーンはメディアで見る機会が多いですから、そう感じるのも無理はありません。
シティサーキット東京ベイには、来場者に安全に走行を楽しんでもらうための工夫があるそうです。
EVカートは遠隔操作でプログラムが制御できるようになっています。そのため、走行車両がスピンするなどの危険なシーンでは、全ての車両のスピードを落とすことができるんです。レースではクラッシュやスピンが発生するとセーフティーカーがコースに入って速度を制御しますが、遠隔制御はEVカートならではの技術ですね。
またブロック塀もあるため、暴走運転をしてもコースアウトしてしまう心配はありません。
○カートを遊びの選択肢に!
日本に70カ所ほどあるというカート場ですが、ほとんどがクルマを持っていないと通うことが困難な場所にあるそうです。モータースポーツの敷居を高く感じる理由は、このあたりにあるのかもしれません。シティサーキット東京ベイは首都圏にお住まいの方なら気軽に行ける場所にありますし、東京観光のルートにも組み込みやすいのではないでしょうか。隣接する「イマーシブ・フォート東京」と組み合わせれば、大満足の1日になること間違いなしです!(井上智尋)