年齢が上がるにつれ、経験が乏しいと仕事を探すのが難しくなる。未経験の業界ならなおさらだろう。宮城県に住む40代後半の女性(医療/年収200万円)はハローワークの求人で、「経験不問、年齢制限なし。受付、事務」の募集に応募した。そのときの面接で、年齢を理由に不快な思いをさせられたようだ。(文:林加奈)
「受付、事務」のはずが「器具洗いとかInstagramの更新担当」にさせられる
派遣社員歴が長い女性は、「派遣エントリーも社内選考が通過しにくくなったので、正社員を目指しました」という。そこで見つけた「経験不問・正社員」の文字があった歯科クリニックに応募した。
「個人経営なので、人事担当ではなく、院長面接。『若かったら即採用なんだけど』と言われました」
かなり失礼な院長だが、意外にも結果は「採用」。断ろうかと迷ったが女性は「正社員登用になれることと、医療業界未経験だったので、キャリアを積む場所。と割りきっていくことにしました」と、入社を決意。しかし任された仕事は「受付、事務」ではなく、
「30代が多い職場で受付のポジションにつくことはできず、器具洗いとかInstagramの更新担当」
だった。しかし3月末で受付担当者が退職することになり、「若い人を採用したかったみたいだけど、院長の目に止まる人はなく」という理由で、女性は現在、受付の引き継ぎをされている。ようやく希望通りの仕事に就けそうだが、それ以外にも「『歯科衛生士たちが若いから、髪色を明るくしたりメイクも若い人に合わせてほしい』とか言われたり、給与を支払う側だから言えるのか?容姿を言われているようで、心地いいものではありません」と、居心地の悪さを感じている。
「賞与年2回」のはずが「会社業績による」に変えられた
女性は仕事内容だけでなく、雇用条件もハローワークの求人と違うことに気づいたそう。
「雇用条件についても、ハローワーク求人では、『賞与年2回』の記載があるにも関わらず、まず、雇用条件明示書または契約書の交わしがなかった。明示してくれるよう依頼し、発行をしてもらったら、賞与は『会社業績による』と、ハローワーク求人との相違があり、どうなることやら。 ハローワークに言うべき?かと考えていたりします」
女性は現在も、その歯科医院に勤務しているが「派遣に戻るかどうか、または正社員の他の求人を探しながら引き継ぎを受けているところです」と、退職も一つの選択肢になっていると明かしている。年齢で差別され、容姿をとやかく言われ、給与も求人の内容と違うのだから、退職したくなるのも無理はないだろう。
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