コンビニやスーパーなどで増えているセルフレジ。ところがセルフレジ利用者の3割が、何らかのトラブルを体験しているようだ。弁護士ドットコムは2月28日、セルフレジトラブルに関する実体調査の結果を発表した。
調査は2月に、同社サービスの一般会員906人を対象に実施。直近1年間でセルフレジを利用したことがあると答えた人は9割を超えた。その一方で31.9%が「トラブル経験がある」と回答した。どのようなトラブルだったのだろうか。調査では具体的に聞いているので紹介しよう。
「操作に時間がかかり、店員さんを巻き込んでしまった」
トラブル経験者に内容を聞くと、「値引きシールの値段が反映されていなかった」(38.4%)、「クレジットカード払いや電子決済しかできないのに現金しか持っていなかった」(20.8%)など、支払いに関するものが上位を占めた。
次いで、「商品や有料のレジ袋などを課金せずに持ち去った(気づかずに持ち去ったものを含む)」が11.1%。万引きと見なされかねないので、気をつけなければならないだろう。ほかには「操作ミスや大量の硬貨の大量投入などでレジが故障した」、「万引きを疑われた」、「レジの操作に時間がかかり他の客と喧嘩になった」と続いた。
「バーコードが読み取れなかった」、「操作に時間がかかり、店員さんを巻き込んでしまった」という回答もあった。
自由回答でセルフレジの体験談を聞いたところ、次のような声が集まった。
「会計して商品をカバンに入れていたら万引きを疑われ、レシートを見せてくださいと言われた」(30代女性)
「半額になっている商品を購入しましたが、セルフレジでは値引きが反映されませんでした。近くにいる店員さんは、セルフレジの操作がわからず困っている高齢者の方の補助につきっきりになっており、その場を離れて他の店員さんを呼ぶのも気が引けたため、大した金額ではないし……と思ってそのまま定価で支払いをして帰りました」(30代女性)
「夫婦2人で作業をしていたところ、あとから袋に入れたいものを夫が横によけていることに気が付かず、会計済みと思って袋に入れて持ち帰り、レシートを見てから支払っていないことに気がついた」(40代女性)
「セルフレジにてバーコード決済を使用したが、決済エラーが出ていたことに気付かず帰宅してしまった。帰宅後、バーコード決済の取引履歴を見ても履歴が無く、会計できていないことに気付き慌ててスーパーへ謝罪と支払いへ戻ることになった」(40代女性)
「システムに慣れていなかったので操作に夢中になり、商品を持ち帰るのを忘れてしまいました」という体験を寄せた50代男性もいる。慣れていない人は、店を出る前にレシートや商品をよく確認する習慣を身につけるといいだろう。
「普通のレジの方が正直早いときがある」「大量に買った場合は有人レジへ」
調査では、セルフレジは「効率化にあまり役立っていないのでは」という厳しい意見も複数寄せられた。
「セルフレジより、普通のレジの方が正直早いときがある。なかなかバーコードを読み取れなかったり、小さな子どもがやりたがって親がイライラしていたりするのを見ると、人がいるレジに行きたくなる」(40代女性)
「アルコールを購入したため年齢確認のための店員の確認が必要となり、時間的には結局有人レジと変わらない結果となった。なかなか難しいかもしれないが、方法はないものか。例えば、支払前に電子マネーをかざすと年齢確認ができる、など」(40代男性)
「大量に買った場合は有人レジへ、少量の場合のみセルフレジを利用しています。セルフレジは混んでいる時間帯に行くと焦るので、バーコードがすぐに見付けられなく困るときがあります」(60代女性)
確かに改良の余地はありそうだが、労働人口が減少し続けるなか、今後もセルフレジは増える一方だろう。