JR東日本が展開する冬の恒例キャンペーンに、「JR SKISKI」がある。「ぜんぶ雪のせいだ。」に代表される“雪”にまつわるキャッチコピーと、ヒロイン役のキャスティングには毎年注目が集まるが、読者の皆さんはこのキャンペーンの商品を実際に利用したことはあるだろうか。
[caption id="attachment_291447" align="alignnone" width="900"] ▲2023~2024シーズンのヒロインには女優の桜田ひよりさんが抜擢[/caption]
かく言う筆者も、ウィンタースポーツ自体は幼少期からやってきたものの、JR SKISKI商品は利用したことがなかった。そもそもここ数年は友人とスケジュールがなかなか合わなかったりと、ゲレンデ自体ご無沙汰。ようやく今シーズンになってスキー場に行ける見通しが立ち、様々な旅行商品を調べていたところ、JR SKISKIのダイナミックレールパックがとんでもなくお得だと知った次第である。
東京~越後湯沢駅間が往復2,700円?[caption id="attachment_291448" align="alignnone" width="900"] ▲びゅうトラベルのJR SKISKI特集ページ[/caption]
JR SKISKIといえば新潟・湯沢町のガーラ湯沢スキー場。上越新幹線のガーラ湯沢駅直結という利便性を最大のウリにしたJR東日本系列のゲレンデで、新幹線往復とリフト1日券のセットが10,100円となっている(ただし平日限定)。レンタルセット料金(1日6,500円)を含めて、計16,600円あれば手ぶらで新潟に日帰りスキーに行けるのだ。
ちなみに、東京~ガーラ湯沢駅間は通常片道6,690円(自由席利用)、往復13,380円。なんと単純に往復するだけで元が取れてしまう。「お先にトクだ値(30%引き)」でも往復9,800円なので、リフト券代を考慮すればJR SKISKI商品に軍配が上がる。
さらに安いのが、同じく湯沢町の神立スノーリゾート。東京~越後湯沢駅間の新幹線往復と、リフト1日券のセットでなんと8,400円から(こちらも平日限定)。同リゾートのリフト1日券の通常料金は5,700円なので、新幹線が実質2,700円ということになる。同区間は往復通常12,520円。何をどうしたらこの価格設定になったのか不思議なくらいである。ちなみに、レンタルセット付きプランでも11,500円と格安だ。
しかもこの商品は当日まで購入できる(レンタルセット付きプランは出発前日の午後11時40分まで)。「突然明日休みが取れたから行ってみよう」「今日は天気が悪いからやっぱりやめよう」といったことが可能なのだ。
ということで2月中旬の平日、この商品で神立スノーリゾートに行ってみることにした。
そんなわけで行ってみた往路は午前7時36分東京発の「たにがわ471号」。往復の新幹線は片道200円で指定席に変更できるが、始発の東京駅から乗車すること、帰りの時間が読めないことから、自由席利用にした。
この日はE7系12両編成のうち、1~4号車が自由席だった。午前7時15分頃にホームに着くと、自由席はそこそこの列。春休みの大学生で混雑しているが、東京駅からであれば座れないということはなさそうだ。
平日朝の列車ということで通勤・通学需要もあり、大宮駅からは客室内通路に立つ人も。多くの人は本庄早稲田駅で下車した。
越後湯沢駅には午前8時58分に到着。ホームには多くのスキーヤーとスノーボーダーが溢れ、にわかにラッシュの様相だ。
駅から各スキー場まではシャトルバスが出ている。神立スノーリゾート行きは概ね20分に1本(平日ダイヤ)で無料。午前9時5分発の便に乗ることができた。当然ながらシャトルバスも“ド満員”だったので、駅に到着したらすぐにシャトルバス乗り場に向かうことをおすすめする。
そんなこんなで、東京駅出発から2時間足らずで神立スノーリゾートに到着。
カウンターでバウチャーのQRコードを出し、リフト券を受け取ってスノーボードセット一式を借りたら、早速ゲレンデに出撃だ。
あとは淡々とリフトに乗り、コースの端で青春を謳歌する大学生男女を横目に黙々と滑るだけ。
ウィンタースポーツは「体育」であり「鍛錬」である(持論)。
[caption id="attachment_291439" align="alignnone" width="900"] ▲Kandatsu Snow Resortの頭文字を取った「#KSR」の文字モニュメント。大学生の男女がキャッキャしながら自撮りしていた。筆者だって浜辺美波か今田美桜と来たかった。[/caption]
神立スノーリゾートはゲレンデの規模はそれほど大きくないが、設備が思いのほか充実していた。センターハウス内には、温泉ではないもののキャパ400人という広々とした大浴場があり(別料金)、サウナも併設。朝からぶっ通しで「鍛錬」し続けてヘロヘロになった心身を癒やすのにもってこいだ。帰りは午後5時55分発のシャトルバス最終便に乗車。
[caption id="attachment_291441" align="alignnone" width="900"] ▲越後湯沢駅構内の「CoCoLo湯沢・がんぎどおり」や「ぽんしゅ館」に寄って帰るのも◎[/caption]
越後湯沢駅前で一献傾け、午後8時28分発の「とき346号」で帰途へ。せっかくだから帰りの車内でも一杯――と思っていたのだが、ふと目が覚めるともう大宮だった。さすが新幹線。早い。
というわけで、どう考えても激安のJR SKISKIキャンペーン商品。SNSに重きを置いたプロモーション戦略からしてメインターゲットは若者だとは思うのだが、(体力さえあれば)何歳でも利用可能だ。格安プランが設定されているのは平日のみなので、頻繁に使うのはなかなか難しいかもしれないが、昔ゲレンデでブイブイ言わせていたという人はもちろん、何か新しいことを始めてみたいという人にもおすすめだ。翌日は筋肉痛で全身ガタガタになること請け合いである。
[caption id="attachment_291440" align="alignnone" width="900"] ▲思いつきでふらっと気分転換に行くのも悪くない。毎週1回行っても月5万円程度ですよ。[/caption]