会社から転居を伴う異動を命じられたときは、有給休暇を取得して準備を整えるのが一般的だろう。ところが秋田県在住の30代前半の男性(事務・管理/年収350万円)は、東京への異動に際し有給休暇取得の希望を出したところ、
「突然個室に呼ばれ、総務部長から『有給休暇取得は認められない』と告げられた」
と語る。「着任前に有給取得をしたい旨、年内に何度か相談していたのに」と不満をもらす男性。会社側は社員にまともな準備期間も与えず、一体どうやって遠方へ転居しろというのか。(文:福岡ちはや)
「強行的に休むのは勝手だが、こちらは懲罰権がある」
ちなみに総務部長が男性の有給休暇取得を拒否した理由は、「総会が開催されるから」だった。しかし男性は管理職でもなければ、総務部の所属でもない。男性が総会に出席しなくても業務に支障は出ないのだから、有給休暇を取得しても問題ないはずだ。それにもかかわらず、総務部長は常勤役員と一緒になって、
「総会に出席しないとはなにごとだ。自分勝手ではないか?家族が病気ならまだしも、自分の都合で勝手に休むのは認められない!」
と大きな声で恫喝してきた。そもそも“自分の都合”ではなく“会社の都合”で異動するから、男性は有給休暇が必要なのだが……。
当然ながら男性は納得できず、この一件を労働局に相談した。すると「有給休暇取得にそもそも理由は不要」「(有給休暇拒否の)要件に合致しないのに有給休暇取得を妨げることは違法行為になる」という回答を得たそうだ。しかし、それを総務部長らに説明しても、「そんなもの関係ない!労働局が何を言おうと関係ない!」とまったく聞く耳を持たなかった。
その後、電話にて労働局長による助言・指導が行われたが、それでも総務部長と常勤役員は男性に対し、
「あなたが強行的に休むのは勝手だが、こちらは懲罰権がある。最悪の場合は解雇することもありうる。(中略)是正勧告になろうものなら、こちらも弁護士を立てるからな!」
と理不尽な脅し文句を投げつけてきたそうだ。男性は「これを労働局に伝えたところ、『恫喝と取れる発言であり、事業所の側に法令違反の疑いが強い』と言われている」と明かし、文章を結んだ。結局どのように決着がついたのか、その後が気になるエピソードだ。
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