営業ノルマを達成するために友人に協力してもらうこともあるだろう。しかし、利用するだけで後がいい加減だと信頼関係は壊れてしまう。静岡県に住む40代の女性は、高校時代の友人から何度も営業先として利用された苦い経験がある。
始まりは20数年前、20歳頃のことだった。高校卒業後、金融機関で働いていた友人から「ノルマがある」と頼まれ、積立定期預金を契約した。用がなければ行くことのない車で40分ほどの支店だったが、友人とは社会人になってからも仲が良く、彼女の「何かあれば私が対応するから」という言葉を信じ安心して任せた。
ところが数年経ったある日、衝撃の事実が明らかになる。銀行から「更新手続きの案内」が届いたため、友人に連絡をとったところ
「『ごめん、退職したんだよねー』と軽く言われました。連絡は一切なく、知らぬ間に辞めていたんです。私が『えっ、じゃぁ私のこの契約はどうすればいいの!?』と聞くと、『支店に行けばやってくれるから』と、また軽く返答されました。結局、わざわざその支店まで平日に行かなければならなくなり、非常に困りましたし、かなりモヤモヤしました」
この時は強く抗議せず「仕方ない」と対応したが、その後もたびたび友人から裏切られ、ついに絶縁したという。一体どういうことなのか、編集部では女性に話を聞いた。
「加入した途端、それまでマメに取れていた連絡が取れなくなりました」
それから数年経った20代半ば歳頃のこと。「久しぶり、元気!?」と再び友人から連絡があり、近況報告を兼ねて一緒に食事することに。しかし……
「ネットワークビジネスの誘いでした……。『今やってる仕事が…』から始まり、美容や健康にいいとか、よくある営業トークを延々聞かされて。その組織の中でランクがあがっていくと収入が数十万円になり、海外でのパーティーに招待されて…等と勧誘まで。いい加減、不信感が生まれましたね」
女性は「興味がない」と告げ、はっきり断ったが、友人は「良い話なのに、もったいない……」と残念そうで、へこたれる様子はなかったという。全く懲りていないようだ。
そう、相手はまったく懲りていなかった。そこから少し疎遠になり数年後の30代前半頃のこと。
「久しぶりに連絡があって、近況を聞いたら『保険会社に就職した』と……これが連絡してきた理由かと思ってがっかりしました」
またも契約のためかと落胆したものの、ちょうど保険に入ろうと検討していた時期だったこともあり友人の案内を受けて加入することにした。ところが
「加入した途端、それまでマメに取れていた連絡が取れなくなりました。頭にきて、解約の連絡をしても応答なしです」
本社に郵送で書類を送って解約手続きをしたが、問題はまだ残っていた。
「保険を契約するとき、共通の知人の結婚式の2次会に参加予定だったので、友人も誘いました。彼女は乗り気で『行く!』と返事しましたが、それも連絡無しでブッチ。私が誘った手前、新婦に迷惑をかけるわけにもいかず、5000円ほどの会費も私が払いました」
と裏切られた上に余計な出費まで負わされてしまった女性は、ついに彼女と縁を切ることを決意した。
「もう2度と友人と話をしたくなかったですが、『断るにしても音信不通は人としてどうかと思う』『これを最後の連絡にします』とメッセージを送りました。彼女から、応答は一切ありませんでした」
これで絶縁かと思いきや、再び彼女の名前を聞くことになろうとは、女性はこのとき思いもしなかった。【後編へ続く】
キャリコネニュースでは「友人と絶縁したことがある人」をテーマにアンケートを行っています。回答はこちらから。https://questant.jp/q/LQ1RHMHG