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都会で流行ってる〇〇がない=不幸ではない 田舎のいいところについて語ろう

2024年02月17日 06:10  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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田舎。この言葉にはどこかしらネガティブなイメージがダブるものである。監視社会だの、過疎化だの、管理されてない物件の立ち枯れ横行だの、嫌な印象というものが田舎というワードには複合的に含まれがち。

しかし、そんな田舎もそんなに悪いものではない。ちょっとはメリットもあるし、田舎特有の面白い部分もある。

今日は、暗い印象の話ではなく、明るくてちょっとだけ面白い田舎に関するあるある話をしていきたい。「田舎っていいね」と、読後にちょっとでも思ってもらえれば田舎で暮らす僕としても多少嬉しいし……。(文:松本ミゾレ)

「田舎には〇〇がない」問題

先日、ガールズちゃんねるという田舎者にも門戸を開いている掲示板に「【悪口】田舎で生まれ育った人と語りたい【NG】」というトピックが立っていた。これを立てた人は田舎で生まれ育った人ながら、その田舎のいいところをみんなで挙げていこうと呼びかけている。

たとえば当人は自分の町にマクドナルドがなかったので、テレビでマクドナルドのCMが流れると憧れを持って観ていたという。転じて大人になった現在でも、マックは特別な感じがすると書き込んでいる。

これ、分かる。僕は1984年生まれで、地元にマックが出来たのがジャスコがオープンした頃なので、90年代の前半と記憶するが、はじめてマックのカウンターに立った時は「まるで都会ずら」と思ってしまったし。社会人になって関東で働くようになってからは、念願の朝マックデビューも果たしたが、大人になった気分にもなれたっけなぁ。

そのうちドトールとかもデビューしちゃって、もうおのぼりさん丸出しでミラノサンドとか頼んでたよね。まあ、こういう具合にファストフード店ってのは田舎者にとっては、00年代の前半ぐらいまではなかなか珍しいものだったから、そういうものが田舎で楽しめるとなると、それだけで若干嬉しくなるのだ。

田舎の河川は生き物がたくさんで楽しい

田舎には、都会にあって当然のものがない。なので文化的な刺激は乏しい。だけど、刺激こそないが都会には存在しないようなものもいくつかある。代表例は自然かな、やっぱり。

都会では工事が進んで河川も生物多様性が乏しく、どっかの無神経な奴が放流したコイが水草も食い荒らして生態系もへったくれもない水域が多い。生物多様性の源泉は水域にこそあるが、ここのバリエーションが少ないものだから、見受けられる生き物の種類もまた少なくなってしまう。

まあ、河川の工事は都市をより住みやすくし、水害の折の氾濫にも強いまちづくりのためには欠かせないので仕方がない側面もあるんだけど。

一方で田舎の河川となると、ちょっと水に入って足元の砂を探ればシジミだのドブガイだのスッポンだのが目に付くし、水草も豊富だからフナやオイカワやウグイなど、都会のほとんど水路と化したような河川に比べると生き物が多い。

僕は子供の頃から河川が大好きなので、都会より結局田舎暮らしがお似合いなんだけど、やっぱり都会ではなかなか見かけない環境がちゃんと残っているのは目にも楽しいものだ。自然に関しては、他の田舎者も書き込みをいろいろと寄せているので、以下引用を。

「周りが山です。本当に田舎だけど田舎でしか味わえない動物の鳴き声や自然の美しさに全然飽きる事がありません」
「蛍とか大量に飛んでいて見に行くと洋服にくっついてくれたり、家の庭にも飛んできた。不便だったけど自然があって楽しかった」
「初夏の蛙の声が本当に大好き」
「色んな田舎があるけど山の方だと山菜は取りに行くよね。うちは春はワラビとコゴミと山ウドとコシアブラとタラの芽、夏は根曲り竹、秋はきのこ類、冬はイノシシと鹿」

やっぱり自然しかない地域だと、自然を推すしかないよね(笑) ただ、田舎で育つと娯楽が都会より乏しい関係か、若くして花鳥風月を愛でるようになる人も多いように思える。

やることがないから、花を見かけると笑顔になったり、月を見て物思いにふけったり、みたいな感じで。もちろん都会で生まれていた方が、色んな娯楽のチャンスもあれば経験の機会も多いんだろうけどね。

そういえば、高校1年の夏休み中に同級生が川で溺死してしまうという事故があった。ところが田舎は娯楽がないし暑かったのでどうしても川遊びはしたい。だから結局、その同級生が死んでしまった辺りで泳いで遊んだんだけど、そうこうしているうちに同じクラスの友達数人も泳ぎにやってきて。

そんでその晩、川で遊んでたメンバー数人が、死んだ同級生と一緒に、何か綺麗な場所で遊ぶ夢を見たらしい(僕はその晩、徹夜で『ゼノギアス』をやっていたので見ていない)。

今思うと不謹慎ではあるけれど、田舎のガキは自然を相手に遊ぶしかないから……まあしょうがなかったのだ。とにかく不思議な話である。