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2024年のメットガラのドレスコード発表 SF作家J.G.バラードによる「時間の庭」がテーマ

2024年02月16日 10:21  Fashionsnap.com

Fashionsnap.com


Met Galaのインスタグラムより


 ニューヨークのメトロポリタン美術館コスチューム・インスティチュートで現地時間5月6日に開かれるファッションの祭典「メットガラ(Met Gala)」のドレスコードが発表された。今年はSF作家J.G.バラード(J.G. Ballard)による「時間の庭(The Garden of Time)」がテーマ。共同ホストにはゼンデイヤ(Zendaya)が数年ぶりに復帰するほか、ジェニファー・ロペス(Jennifer Lopez)やバッド・バニー(Bad Bunny)、クリス・ヘムズワース(Chris Hemsworth)が務める。

 メットガラは、ニューヨークのメトロポリタン美術館コスチューム・インスティチュートが毎年行われるファッションにまつわる展覧会のオープニングに際して開催。セレブやデザイナーなどの著名人たちがテーマに沿った豪華な衣装でレッドカーペットに登場することから、"ファッション界のアカデミー賞"とも称されている。
 2024年の展覧会のテーマは「眠れる美への追憶──ファッションがふたたび目覚めるとき(Sleeping Beauties: Reawakening Fashion)」。4世紀にわたる約250点の衣類とアクセサリーを「陸」「海」「空」のサブテーマに基づき展示し、17世紀エリザベス朝時代のボディスなど、二度と着用することができないほどもろくなった作品も公開する予定だ。会場では衣服の匂いや音、質感、動きなど、五感で楽しめる没入型の展示を展開。後援を務めるコンデナストのファッション誌「ヴォーグ(VOGUE)」によると、いくつかのアイテムは、視覚トリックのペッパーズ・ゴーストを駆使して蘇らせるという。各作品はビデオアニメーションやライトプロジェクション、サウンドスケープ、AI、CGIといったさまざまな技法とともに紹介される。同展では「天然素材を用いて衣服を製作することによって移り変わっていく、人間の自然界との向き合い方」を伝えていくとし、持続可能性や再生型生産といったサステナビリティを重視したデザイナーやクリエイターたちの作品にもフォーカスする。会期は5月10日から9月2日まで。メインスポンサーはTikTokで、「ロエベ(LOEWE)」が協賛する。
 メットガラのドレスコードのテーマに選ばれた「時間の庭」は、スティーブン・スピルバーグ(Steven Spielberg)によって映画化された小説「太陽の帝国」の作者として知られるJ.G.バラードが1962年に発表した、“時間の花”が咲く美しい庭園が見渡せる別荘に住む伯爵夫妻の物語。暴徒が迫る中で"時間の花"を摘み続けながら、二人は静かに肩を寄せ合う様子を描写している。ドレスコードでは同作の風景描写と同じような「儚い美しさ」をテーマにしているという。