引っ越し貧乏という言葉もあるように、引っ越しには労力と何よりお金がかかる。しかし世の中には、たびたび引っ越しをする人がいるようだ。
鹿児島県の40代後半の男性(教育・保育・公務員・農林水産・その他/年収100万円未満)は、「今のところへ住み始めてもう7年目」と長く住んでいるが、その前は引っ越しを繰り返していた。
このあと、かつての住まいで起きた衝撃的な出来事の数々を振り返る男性。まずは、隣人が「DVする旦那と奥さん」だったというアパートでの体験を臨場感あふれる言葉でこう明かす。(文:長田コウ)
「奥さんは一切外出はせず、夜になると旦那からの暴言と壁越しに『ゴツ!バキ!』と聞こえてきて恐怖を感じました」
「『娘が帰ってきた』と叫び下へと戻り、私もあとについていきました」
壁越しに聞こえてくる音だけでも怖いが、さらに恐ろしいのは、翌日の旦那の態度だった。
「ニコッと笑いながら近づき、『話すなよ?』と言われ、誰にも相談できずに即引っ越しをしました」
ホラー映画さながらの恐怖を味わった男性が次に引っ越した先は、「大家が90過ぎの女性」の物件だった。いつもお金の話をし、「部屋をきれいに使え!」と言ってくる大家を男性は煩わしく感じていたそう。
入居して1年後、隣の部屋に60代の住人が入る。すると、またもや男性は隣人に恵まれなかった。というのも、この隣人は引越し初日に挨拶をしてこなかったうえに、「下の階の方のポストから新聞をとる」人だったのだ。さらには、男性が何をしたというわけでもないのに、この隣人は大家に嘘を吹き込み、男性を「滞納者」呼ばわりする始末だった。
そんなある日、衝撃的な出来事が起こる。なんと、大家が男性の部屋の鍵を勝手に開けて上がり込み、片付けを始めていたのだ。男性は当時の驚きを振り返った。
「大家が『娘が今日帰ってくる!あんた誰だい?ここは娘の部屋なんだよ』と言い始め、車が止まると『娘が帰ってきた』と叫び下へと戻り、私もあとについていきました」
大家にこんなことを突然されたら誰もがパニックになるだろう。男性は「娘が帰ってきた」と叫んで自分の部屋に戻っていく大家のあとをついていくと、大家が利用しているデイサービスの配食サービスの表を見つけた。さらに、仏壇には「若き女性の遺影」も飾ってあった。
大家の言動からただごとではないと感じ取った男性は、配食サービスに連絡し、大家のケアマネージャーを呼ぶ。その際、大家の部屋にあった遺影について聞くと、新事実が発覚した。
「長女ですよ、昔の病で亡くなっています」
一連のパニックの原因は、認知症の進行が原因だったようだ。ケアマネージャーが来てもなお、騒ぎ続けた大家は結局、その翌日に「急遽入院」した。男性はこのあと、どのような引越し遍歴を辿るのだろうか。【後編へ続く】
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