神谷の演技、作品の画作りでお気に入りのシーンを問われると、石川プロデューサーは、映画の冒頭に登場する地下鉄での阿良々木暦とキスショットの出会いのシーンをピックアップ。それを受けて神谷は、該当シーンでの阿良々木暦の感情の乗り方や声の表現の仕方など、原作のニュアンスを引き出しながら、試行錯誤して演技をしたと当時を振り返る。また石川プロデューサーからは、スタッフが直接フランスに渡り、エンディングテーマ「étoile et toi」を担当するアーティスト・クレモンティーヌのレコーディングに立ち会ったという制作秘話も語られた。
会場内には、この上映会で初めて「傷物語」を視聴する人や、「〈物語〉シリーズ」に初めて接する観客の姿も。そんな彼らに対し、神谷は「『〈物語〉シリーズ』の特徴として、原作を読んだ後の読後感とアニメの映像を見た後の感覚がリンクしている」と、シリーズ自体の魅力を説明する。さらに劇場で瞬時に完売してしまった物販「SHAFT creator's works 01 尾石達也『傷物語』絵コンテ集」についても話題が及んだ。