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離婚後の共同親権を可能にする民法改正要綱案、弁護士コメント全文(2)

2024年02月10日 08:51  弁護士ドットコム

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法制審議会の家族法部会は1月30日、離婚後も父母双方が子どもの親権を持つ「共同親権」を可能にする民法改正要綱案を委員の賛成多数で取りまとめました。弁護士ドットコムでは、会員弁護士に、要綱案についての賛否や意見​​などを尋ねるアンケートを実施し、251人から回答が寄せられました(実施期間:2月2日~2月6日)。


【関連記事:【続き】離婚後の共同親権を可能にする民法改正要綱案、弁護士コメント全文(3)】



【反対派の意見】コメント全文(1)の続き



「合意のない当事者間にも共同親権を強制できる制度になっている点が非常に問題です。葛藤の高い夫婦間では子どもにとって大事な事項が適時に定まりません。DV案件は除外されるというのは幻想でしかなく、証拠の残らないDVはたくさんあります。共同親権が強制されると、離婚後もDV被害が続き、子どもが巻き込まれることになってしまいます」



「要綱案では、共同親権下で両親の養育方針が対立した場合、子の進学や治療など時間的余裕のない事項についてどのように対応するかの手当がなされていない」



「選択的共同親権の部分に反対です。対等に話し合える関係性がない二人に協議をさせるのは無理があります。共同親権を行使できる関係性にないにもかかわらず、離婚を希望するあまりに共同親権を選択してしまう方や誤解の上に共同親権を誤って選択する方が増えることを懸念します。DVの場合には、単独親権としても、そもそもDVであることが証明できる場合はかなり少なく、共同親権であることにより、子の監護を通じてDVの危険にさらされ続けなければならなくなってしまいます」



「少なくとも原則単独親権にすべきである」



「裁判所で家庭内のすべてを確認して判断することはできないと強く感じている。裁判所が判断するなら、どちらか一方に親権を与えるかまでで良いと思う。また、当事者の合意がある体でも、意に反して共同親権にさせられるケースも頻発すると思う。子に対する責務として、親権の有無にかかわらず、責任を負うという点はよいが、共同親権が原則とされると、例えば、裁判所においてDVと判断しづらい程度の見解の相違や争いなどがある場合に、子の利益に反する状態となってしまうと思う。そもそも、離婚に至る場合には、両名に共同して親権の行使を期待できないケースの方が多い」



「子どもの意思の尊重が不十分。家庭裁判所に共同親権にすべきかどうかを判断させるのは無理」



「合意がある場合でも共同親権とすることはDVや虐待事案の懸念があるのに、合意がなくても共同親権を命じることができるとすることは、子どもの福祉に反するおそれが大きい。裁判所による後見的立場からの判断も容易ではなく、客観的証拠に乏しいDV・虐待事案が適切にスクリーニングされないおそれがあることは、多大な予算をかけているオーストラリアでも、子どもの安全を最優先とした離別後の監護のあり方をめざす方向に転換し、離別後の非監護親による濫用的な申立てを制限することも含めたオーストラリアの今回の法改正からも学ぶべき。親族による面会交流を認める法制度も立法事実がなく、不要」



「当事者の現状や家庭裁判所のキャパシティを考えて現実的な内容ではない」



「めんどくさい」



「共同親権と単独親権が併存すると単独親権の親権を持たない親への偏見が懸念される」



「共同親権について、そもそも危険であると考えているため」



「現実的な解決策にならない。かえって共同親権をめぐって紛争激化が予想される」



「両親が離婚した子どもから聞いた話だが、共同親権だと動揺して反対だ、と述べていた。全く会っていない父親に親権ありといわれても迷惑とのこと」



「単独親権を主張する場合にDVの主張立証をする必要があるが立証がどの程度必要なのか不明。またDVの立証を必要とするので、いままで敢えてDVの主張をしないでいたような事案でも、DVを主張せざるを得ず訴訟が増加し訴訟が長期化するだろう。すると家庭裁判所の裁判官、調査官、書記官、事務官、調停委員の仕事量は増加する。ところが家庭裁判所を増員することにはなっていない。そのため、訴訟が遅延するだろう。家庭裁判所の増員、予算増加、増築などを先にする必要があったと思う」



「これまで少しばかり経験してきた事案を想起すると、共同して親権を行使できるとは思いづらいから」



「DV(特にモラハラ気質の夫から逃げられなくなる。モラハラは立証も困難。)」



「共同親権を原則形態とすることは、DV被害者のさらなる被害拡大の恐れを生じさせうる。単独親権を原則とし、共同親権の弊害がないことが明らかな場合に限って共同親権を導入すべきである」



「離婚までの争いが増え、紛争が長期化する。離婚後の紛争が増加する」



「子の監護に関する取り決めをせずに、当事者だけで離婚後共同親権を選択できる制度だから」



「DV事案等についての救済策が不十分だから」



「養育費未払の問題についても、強制力のある制度を導入して貰いたい」



「新たな紛争の種になるため」



「親権をめぐる問題がさらに混乱し、解決が困難になる。また、共同親権となった場合の事件後の弁護士の負担も大きくなる可能性がある」



「共同親権を取り入れるのは良いとして、共同親権の合意ができた場合のみ共同親権を認めればよいと考えるから」



「共同親権であっても、養育費不払いや面会交流の不実施の問題は変わらないように思われる。その上、離婚後の親権の共同行使という新たな問題が生ずるようにしか思えない」



「DVや虐待への懸念が残る。また、本来は親権と面会交流とは別問題のはずなのに、共同親権が面会交流を強要する手段として用いられかねない」



「離婚は夫婦の協力が期待できないことが一般的だから、かえって子の福祉を害するおそれが大きい」



「共同親権が導入されたとしても、結局は監護権の争いに内容がすり替わるに過ぎず、また、監護していない親の親権行使で、子どもの意思や福祉に沿わない決定が容易にできるようになるため、かえって紛争が生じやすくなるように思います」



「①共同親権の決定を巡って新たな紛争が生じる。②夫婦関係がうまくいかなかった夫婦が離婚後に子どものためだとしても、円滑な協議ができるとは思えない。殆どのケースで、家庭裁判所が単独親権とする可能性がある。③離婚を選択することへの心理的障害となる可能性がある。④親権の所在が問題なのではなく、離婚後も親子の交流が継続し、一定程度子どもの養育に関与できることこそが重要であり、当事者の意識のなかで親権は勝ち負けの道具でしかない」



「要綱案では離婚時の争点が増えるだけだから」



「暴力や暴言の有無の認定に幅があるので、それが認められた場合には単独親権とする旨の規定は削除した方が良い」



「離婚配偶者が共同行使は困難。むしろ適切な親権変更の容易性、適切性の確保の方が先決問題である」



「DVや虐待について、裁判所に適切な判断が可能であるとは思えず、また、共同親権者が共同して判断すべきことが多く、紛争が再燃する可能性が高い」



「共同親権となった場合、子のために速やかに決めるべきことが滞るおそれが大きい。家庭裁判所に判断を求めることができるとされているが、現実的には、家庭裁判所のリソースが極めて不足しているため、上記弊害を解消できるとは思われない。少なくとも、現状において共同親権を導入することは、無責任な法改正となる」



「DVやストーカーといった物理的危険性の高い事案のみならず、モラハラ等の高葛藤事案においても、(元)夫婦の間で子どもを利用した紛争が続きかねない。そうすると、子どもの発達に悪影響がある」



「共同親権が原則ではなく、選択肢に入るということであれば弊害は少なくなる可能性はあるが、そこは運用次第であり、裁判所における運用について、共同親権を進めたい側も反対している側も懸念を表明しているもとでは不安定な運用になることが見えているので、棚村教授が指摘するガイドラインを練っていって、これなら現場も混乱しないでいけるという確信がもてるところまで設計してから出してもらわないと実務で困る」



「離婚したのちに、子どもに関する重大事項を冷静に話し合えるとは思えない。また、モラルハラスメントを行う配偶者から逃れることができず、精神的に追い詰められる方が増えると思う。一方で法定養育費を導入するのであれば、支払う相手にも一定の権利を与えるべきとの観点から悩ましい」



「虐待の危険が払しょくできるのかという不安があるので賛成はできないが、子と引き離される側の親の立場も尊重されなければいけない」



「DVや虐待の絡む案件では、別途争いを生じかねない懸念が残されるため」



「共同親権を採用する前に解決する問題があるから」



「紛争は減らない。かえって争点が増える」



「共同親権にすると、離婚後の父親による虐待やDVについての立証が困難になる可能性が強いので単独親権がベター」



「情報開示制度等評価できる点もあるが、①単独親権とする場合の要件についての要件事実、審理、認定の方法等が明確ではなく、親権者を決定するまで相当な時間を要し、審理が長引く可能性が高い(傷害に至る場合でも我慢して病院に行かないケースもあり診断書等がない、モラハラ・身体以外への暴力などは立証が極めて困難である。そのため、早期の離婚のためDVを離婚理由に入れない場合もある。)、②離婚の要件として親権者指定の調停・審判の申立てを上げているが、調停・審判中の親権者の規律は明確ではない、➂養育費等に関する情報開示に応じない場合のペナルティは罰則だけでなく給与・報酬の証明がなくとも認定できるようにすべきである、④自営業者はおおむね確定申告の収入等をごまかしていることがあり不当に低い養育費等になりかねない、⑤自営・親族経営の場合、給与を下げたり、給与を報酬に変更またはその逆をするなどして差押えを免れるケースに対応できない⑥改正案のとおりであれば裁判所調査官も裁判官も不足することが予想されるなど」



「共同親権を主張され、父母間で争いになっているケースは、そもそもその後、共同親権が円満に行使できない場合が多いのではないか。争いがあるケースは家裁の判断を仰ぐことになるが、その判断のためにまたDV被害者とされる側も手続関与せざるを得ず、離婚事件の紛争が激化されるように思われる。また、共同親権と決まった事案でも、その後問題なく親子関係が継続できるものか確認する術が必要と感じる」



【賛成派の意見】「最終的には、家裁が妥当な判断をする」「国連から勧告があったから」



「連れ子の虐待死等の抑止」



「原則的には、その方がいいと思うから」



「仕組みとしては賛成だけど、運用が根付くのには相当な時間が必要になると思う」



「離婚してもどちらも親であることに変わりはないので」



「母親が連れ去り、子の親権を取得する事案があまりにも多いので」



「離婚しても親子関係は存続する以上、子の利益を害しない限りは共同親権を原則とすべき」



「子の養育は父母が対等に担うのが男女平等」



「現在では子どもを連れて別居した場合、婚姻中の面会交流権の設定、監護権の取得、離婚の場合の親権の取得等で、子どもを連れて別居した者にかなりアドバンテージがある。一方の親権者等が挽回する機会がない。また、将棋の橋本八段のような事件もあり、もちろん詳細はわからないが、面会交流、親権等に端を発した事件がある。また、海外との比較すれば、むしろそれが主流である」



「親権がない親の面接交渉をより認めるべき」



「共同親権が可能になったから」



「親権を一方当事者のみに帰属させるというのは国際的にも特異であり、離婚訴訟が長引く要因の一つとなっているため」



「子どもの福祉の視点から、共同親権を認めるのが合理的で、父親に子どもの養育に責任を持たせるべき」



「子どもの利益を尊重しようという姿勢が窺えるため」



「家裁の機能強化が必要になってきており、法改正を機に機能強化のための予算や制度の整備が期待できる」



「最終的には、家庭裁判所が妥当な判断をするだろうから」



「離婚=DVや虐待がある、ではないのだから、当然だと思う。どちらの親にも問題がないのにどちらかを選ばなければならない現行の制度が異常だった」



「家族関係や価値観が多様化していますので、「選択肢としてある」というのは当事者にとって非常に良いと思います」



「日本における離婚の実態に即している」



「両親離婚後も、子どもが双方の親との接触を保つことが子どもの利益に資し、そのためには、一方の親が全面的な支配権を持つ現行の単独親権制度は改められる必要がある」



「離婚時の親権争いは不毛。離婚時に一方当事者から親権喪失の必要性もないのに親権を奪うのも不毛。一般論として父母双方の関与が子どもの利益に資する。家裁の運用にもよりますが原則として共同親権とするのが望ましいと考えています」



「要綱案では一応単独親権か共同親権かの選択式となっているので、選択肢が増えるだけであれば賛同できるから。もっとも、原則的に共同親権というような風潮になった場合に対しては懸念も感じる」



「離婚後も子と非監護親が親子関係にあることを明示することは意味のあることだと考える」



「共同親権を認める道を開き、両親の離婚によって一方の親と引き離される子どもが少なくなること、親権についての無益な争いを減らせること、双方が親権を行使することで一方の親の親権の逸脱濫用を抑止できる可能性が開けること、離婚後の別居親が学校行事などに参加できる運用がしやすくなることから、賛成です。しかし、そもそも、個人の尊厳を規定する憲法の理念から考えると、家制度の残滓を引きずる夫婦を中心とした現在の家族制度を改め、夫婦関係と親子関係を個人単位でとらえて相互の関係を完全に切断し、親権(停止)喪失事由がない限り夫婦の離婚が親子関係に影響を及ぼさないこととし、DVについては、あくまでもDV法の枠内で対応するのが適切ではないかと思います」



「単独親権を認める理由をもう少し柔軟に」



「情報開示にかかる手続の強化、法定養育費の規定、先取特権の付与については、実効性があるように思えるので、弁護士としても活用を検討するべきもののように感じました。その意味で、要綱案には賛成できます。他方で、共同親権の規定については、実務に与える影響はそこまで大きくないのではないかと感じました。結局、子の実際の居場所をめぐって紛争になることは現行法と変わらないであろうし、いわゆる「連れ去り別居」をした者が有利となる状況に変動はないと思えるからです。共同親権の導入の機運が高まっている理由の一つとして、子どもに会えないという点があると考えています。今回の、親権者の規定の改正は、なにか表面的な改正に過ぎず親子関係についてプラスにもマイナスにも働かないもののように感じます。経験上ではありますが、面会交流が充実していれば、単独親権だとしても親権について深刻な紛争は起きないケースが多いです。そのため、子の福祉を踏まえた紛争の解決を考えた際に、面会交流の規定の充実・強化の方が、より本質的で抜本的な解決をもたらすように考えています」



「選択の幅が広がるため」



「離婚後も共同で親権を有することが合理的な場合もあり、かつ選択制であるため」



「共同親権を選択できるというだけで、原則共同親権まで踏み込めていない。現在問題になっている、一方の親が子を連れて別居して(連れ去り、と言ったりする)、監護実績を事実上重ねて監護権を勝ち取ってしまうことが横行していることへの対処が全く果たされていない」



「国連から勧告があったから」



「選択的共同親権制は諸外国の潮流から妥当であるが監護者指定時の基準の明確化など肝心な所の手当がかけており実効性に疑問がある」



「親権の帰属の争いを回避できる可能性がある。子どもの養育に当たって協力関係が築けるのであれば、子の福祉にかなう」



「共同親権への途が拓かれた点は評価できるが原則共同親権ではなく選択制となっている点は極めて不十分」



「憲法の14条平等原則からして、共同親権であるべき。外国では、共同親権が多数派。反対派の危惧は、弁護が受けた事件であり、離婚の一部の事件である。親の義務と権利については、指針で明確にすべきである。明確にしないと混乱が生じる」



【どちらともいえない派の意見】「DV等面会が不相当でなくても、監護親の意向で一方的に面会させない事案があるため」



「どちらの言い分も理解できるから」



「相応の養育費を支払う親(父)には、親権が認められるべきであると思います。しかし、例えば、精神的虐待を行っている場合のように、親権を否定すべき事由が、裁判手続で正当に認定されるのかという点に懸念があります」



「離婚の事件はやったことがないので分からないから」



「導入してうまくいくとも思えないが、DV等面会が不相当でないにもかかわらず、監護親の意向で一方的に面会させない事案があるため」



「国際離婚を多く扱うのですが、諸外国では共同親権制度を採用していることが多く、また離婚後、夫婦としては関係性が終了するが、子どもと親との関係は継続するため共同親権制度の理念は理解します。一方で、離婚すると言うことは、父と母との関係が険悪となっており、一切の接触を断ちたいという場合も多く、共同親権制度の名の下、一方の親の承諾、接触を必要不可欠にすることを強いるのは、実際的ではないと思います」



●議論は尽くされた?

政府が今国会での成立を目指していますが、法案提出前の議論は尽くされたかを尋ねたところ、77.7%が「尽くされていない」と回答し、「どちらともいえない」、「尽くされた」と回答した22.3%を上回りました。





弁護士から寄せられたコメント全文を紹介します。



【尽くされていない派の意見】



「そもそも制度が意味不明」



「訴訟などの紛争の現場実態を適切に捉えたものであるといえないから」



「共同親権が採用された場合の問題について検討が足りない」



「法制審のパブコメだけでは不十分」



「このようなアンケート調査もない」



「国民の認知度が低すぎる」



「実態を知らない、理念先行の議論しかなされていない」



「周知されていない」



「新聞やテレビでも、「なぜ共同親権である必要があるのか」から解説しているものがほとんどない。国会が決めたから従え、となっているように思える」



「結論ありきの進行をしていると感じる」



「例外的に単独親権となる場合の要件、調査方法が不十分であると考えるため」



「結論ありきのものだから」



「弁護士会等の現場の意見をどこまで聞いているのか疑問」



「問題点を国民が理解しているとは思えない」



「一般人は全く話題にしない程の問題となってしまっている。少数派の口うるさい者の意見が取り上げられいるだけで反対派の不利益が大きすぎる」



「反対意見が考慮されていないように感じる。また、家庭裁判所のリソースをどのように手当てするのかが考えられておらず拙速だと思う」



「実際に生じることが予想される弊害について十分な検討がなされていないと思います」



「実務を担う裁判所の意見が十分に反映されていないと考える」



「観念的な議論と、現状を踏まえた議論が等価に扱われている感じがする」



「共同親権を必要とする立法事実があったのか疑問。実務が反映されていない」



「実務家の懸念が完全に無視されている」



「問題点については裁判所が判断となっているが、証拠が薄い場合など裁判所も適切な判断ができるとは限らないにもかかわらず、議論が尽くされていないから」



「上滑りの議論であり、現場の実情を踏まえているのか疑問」



「一般的な離婚事件の妥当な解決のためには、共同親権か否かよりも、養育費・面会交流の実効性確保の方が重要と考えるが、面会交流の実効性確保が図られていないと思われるため」



「家庭裁判所が対応できるのか疑問」



「そもそも重要な事項にもかかわらず、議論が足りない」



「子どもの進学や入院・手術等で親権者の一方が同意しない場合、どうするのか議論が尽くされていない」



「虐待やモラハラ(精神的DV)などを家裁が認定することは困難であるという実態をわかっていない」



「自民党保守派からの強硬な介入により要綱案が作られ、委員から懸念が示される異常な経緯を経ており、手続きにも瑕疵がある」



「共同親権に関する議論が不十分。専門家だけで議論するのではなく、親権をとれた人ととれなかった人という一般人の意見を聴取するなどしてより、具体的な実情に沿った議論をするべき(パブコメに投稿する人は限られている。)」



「子の監護に関する事項が基本的に当事者任せになっているから」



「離婚後の単独親権の状態で、どう関わっているか、また共同親権でどう関わるかというところが、見えていない、或いは良い部分だけ見ているように感じること」



「反対派も相当に多い。議論が平行線」



「そもそも、多くの当事者が嫌がっている段階で議論が尽くされたと言えるわけがない」



「共同親権を認める立法事実が存在せず、他方で、法改正によるコストが適切に考慮されておらず、諸外国に倣うという結論ありきの議論としか思えないから」



「法制審議会では、共同親権に反対の意見があったが、一方的に議論が打ち切られ、十分な議論がないまま今回の法案提出となってしまった」



「適用される案件が多く、これまでの離婚後家族の在り方を大きく変えてしまうにもかかわらず、省庁の広告やメディアの取り上げがほとんどなく、周知が徹底されていない。パブリックコメントも公開されていない。参加されている棚村教授も議論を尽くせなかったと述べている」



「結果としてこれまで大多数の事案では単独親権制度で問題はなかった。サイレントマジョリティではなく、ごく一部のノイジーマイノリティの声で制度を変更してしまうのは非常に問題。平和な家庭では単独親権でもちゃんと離婚した夫婦も親子もコミュニケーションを取っていわば「共同親権的家庭」は実現できている。そうできるだけの夫婦関係・家族関係を構築することができなかったのなら内省して諦めるべき。制度変更まで攻撃的に要求する非監護親(ほぼ父親)はまず自らを顧みるべきであって、制度のせいにするべきではない。こんなことを弁護士が言うのもどうかとは思うが、権利・権利だけでより良い社会は作れない。LGBTQ?とやらもそうだが、批判してはいけないタブーみたいなものになるのはどうかと思う。他所の国は他所の国、日本には日本のやり方があるはず」



「養育費未払いの問題について、議論が足りていない」



「親権概念については、あくまで子どものために親が責任を果たす場面における裁量権にすぎない、子どもを支配する権利でも、ましてや子どもを独占する権利でもない、わかりやすく言えば、子どもは親の所有物ではないという認識を親となる前の段階で義務教育の段階から身に付けていく必要があります。婚姻制度や親子関係についての法整備のみならず、どのような教育をすべきかまで踏み込まないと長期的な問題の解決にはならないと思います。また、双方の親と子どもの利益や福祉が沿わない場合、子ども代理人の選任を義務付けるなど、今までの夫婦での対立関係ではなく、子どもの利益を客観的に追求できる制度について議論されていません。ただ、まずは法整備を行うことで親権や親子関係についての認識を変えていくという点で、法案提出については評価します」



「法制審の審議過程で、親権の共同行使を必要とする場面分けの検討が落とされ、「親権」という用語の改正も落とされ、子の意思や主体性に基づく判断を家裁に義務付ける案も落とされ、家裁を含めた社会のインフラ整備に関する提言も落とされた」



「法制審議会の議事録をみてほしい。といっても全回公開されていないし、パブコメで、個人の意見は2/3が共同親権に反対していたのに、その内容も明らかにされていない。共同親権ありきで、法務省が一部の政治家の意見に忖度して進められた。とんでもないことである。父母の合意がないのに裁判所が共同親権を命じられる非合意型共同親権がどのような場合のために必要かという議論もまったく不合理であったし、「急迫の事情」についての委員の発言も理不尽であった。家裁の人的物的体制が足りていないことも、法制審議会のほとんどの議員にはリアルに感じられていないのだろう。DV事案を協議離婚だとおよそ除外するための手立てがないということも、法制審議会で指摘されていたのに無視されている」



「事案の類型化と、それを踏まえた共同親権のデメリットへの対応が著しく不十分」



「多くの反対意見の内容が公開されておらず、これに対する対応が検討されていると考えられない」



「共同親権については、急に賛成派が多くなったが、その議論の経緯が不明である上、賛成派の意見においては、離婚する場合の両親と子どもの現状を理解していないと考えられる机上の意見が数多くあり、それに対する議論も尽くされていないから」



「DV・モラルハラスメント被害は立証困難なケースも多く、法案の内容では子の福祉を十分に守れるとは思えません。そのような案件に携わる弁護士の意見が十分に反映されたとは言えないと考えています」



「共同親権のデメリットの検討が十分に網羅的でない」



「結論ありきで進んでいる」



「DV事案で共同親権になった場合の子どもへの心理的負担等が議論されていない」



「DVや虐待への懸念が残る。子の安全が確保され監護親が安心して面会交流に応じられるような公的制度や設備を整える必要があるところ、蔑ろにされている」



「共同親権については、原則がないため紛争が長期化することが予想されるので、共同か単独かどちらが原則なのかを定めるところまで詰められなかったのであれば法案化すべきではなかった」



「共同親権の議論は知っていたが、業界内でも十分に議論や求意見が尽くされることなく、気づいたら手続がここまで来ていたという印象で驚いている」



「そもそもこんなに早く法制化されることすら知らなかった、いつものことですが」



「パブコメも整理開示されていないし、法制審の議論は原則例外の場面の整理も不十分」



「反対意見を十分考慮したうえでの制度設計になっていない」



「問題が周知されておらず、選挙の争点にもなっていない」



「国民的な議論には全くなっていないし、弁護士会・家庭裁判所からの意見も汲み取られていない」



「現況、共同親権反対の意見が表明しにくい状況となっている。特に、共同親権推進者がこれに反対する弁護士の業務を妨害する虞があり、議論が尽くされにくい状況が続いている」



「一部団体と政治家の結論ありきで、社会全体の在り方を変える法案であるにも関わらず国民的な議論がなされていない」



「必要性が全くない。共同親権を訴える声は「子に会えない」を強調するが、親権と関係ない」



「最高裁のパブリックコメントでは、家庭裁判所が過度にわたることについて、批判的な見解や懸念が示されている。現場の意見を無視して進めることは制度の機能不全を起こす。その他の多様な反対意見や懸念について全く応答していない」



「早急感が否めない。現場を知らなすぎる」



「裁判所の負担増への対処等検討されていないから」



「弁護士間でも議論していない」



「デメリットが完全に無視されている」



「議論が一般弁護士にすら降りてきていない」



「ほとんど報道もされておらず、議論の形跡はみられない」



「捏造DVの主張に対する制裁(抑止力)、共同親権に関する問題が起こった場合に、進学等について同意が得られない場合に家裁が関わると時間がかかりすぎる、家裁の人員が全く足りておらず、その点が解消されていないなど、議論が尽くされているとは到底言えない」



「現実的な運用とりわけ家庭裁判所のリソースが極めて不足していて身動きが取れなくなる点について適切な解決策が導き出されているとは理解していない」



「新聞やテレビ等で、時々話題にはなるが、賛成、反対の立場からきちんと議論されている感じはしない」



「ガイドラインに関して何も決まっていない」



「両親の意見が合わない時に(進学などは結果判明から数時間以内の申し込みなのに)裁判所がどうやって即時適時判断をするのか、フランスは年間何万件と親権事件があるようだが日本の裁判所で対応できるようになっているのか、共同親権の場合は所得制限やひとり親手当などどうするのか、離婚直後の子どもの氏変更の申立ては共同親権だと両方が申立人になる必要があるのかなど、法制審で議論されていない」



「成立ありき」



「共同親権反対の懸念が十分検討されていない」



「上記反対理由を斟酌されたとはいえない」



「全く世間の声を聞いていない。一部の勢力の意向で閉鎖的な場での審議のみで進められた」



「デメリットの掘り下げが不十分」



「「親権を持たなかった側」の立場からしか検討していない」



「拙速に過ぎる」



「反対の立場のパブリックコメントについて、ほとんど検討されていない」



「DV事案について実務感覚や知見をまったく有していない家族法学者による無責任な審議が目に余ったため」



「共同親権につき理解している国民はごく少数である(弁護士の間でも議論は尽くされていない)」



「理解が深まっていないなかでの拙速な提出だと思うから」



「家族に対する世論等の立法事実を考慮していない」



「国民の多くから関心を持たれるには至っていない」



「パブリックコメントでも重大で深刻な問題点が多数出ているはずであるにもかかわらず、それらの点の議論がされていない、もしくは十分な議論を尽くすに必要な時間が全く確保されていない」



「国連からの勧告を前提に、やるありきで進めた印象を受ける」



「離婚後、親権を持つ父母の意見が分かれた場合の対応について十分な検討がなされていない」



「家事紛争の実情、共同親権のリスク等が十分に考慮された内容になっていないと思われる」



「裁判所の処理能力を考えておらず、実現不可能であるため、議論が尽くされたとはいえない」



「共同親権の意見対立の予想発生件数やその処理システムが議論されていない」



「実務を経験している弁護士の意見が十分反映されていない」



「懸念点についての理解が共有されていない」



「国民間でも十分認識して世論が高まっているとは言えない状況であり、国会も同様である」



「子ども自身の権利の問題について議論ができていない」



「子がいて離婚している当事者を含め、ほとんど周囲で知っている人はいない」



「法制審の拙速な審議を憂慮している」



「海外は共同親権が原則であることを強調しているが、そこで起きている悲惨な事件や状況を無視している。子どもの教育や医療に関する日本の制度上、海外と同一に取り扱えないことも検証していない。大半の円満な離婚は現在の単独親権であっても離婚後の夫婦が問題なく子ども達に関わっている。共同親権を強く求めている大半は離婚する相手に攻撃的で子どもへの執着が強いような親であるため、子どもの声など全く届いていない」



「共同親権のメリットとデメリットが未だ明確にされていない」



「おそらく委員のなかで誰一人としてパブコメを全部みたというひとはいないはず。議事録が3ヶ月遅れで開示されることで、議論の経過がわからないまままとめられていった」



「重大な変更なのに、議論されているとは思えないレベルでの拙速さ。まるでAV新法のよう」



「法制審議会の委員である早稲田大学の棚村政行教授が、NHKのニュースで、「共同親権が望ましい場合と単独親権の方がよい場合の基準や運用について十分な議論ができなかった」と仰っていた」



「最後の決定を家裁にゆだねているが、今の家裁ではマンパワーなどの問題から解決は容易ではないと思う」



「当事者特に被害者の声に耳を傾けていない」



「導入後に懸念される課題の多くに目をつぶっている」