上司からの理不尽な一言を何年経っても忘れられない、という人は多い。大阪府の50代前半の男性は、かつて「制御盤を作る部署」で働いていたときに、
「当時の課長から、『あれだけ言ったのにお前はわからんのか』と、みんなの前で怒られました」
と明かす。同僚や部下もいる前で晒し者にするようでは、上司の風上にも置けないことは言うまでもない。しかし男性は、一体なにをしたのだろうか。
「この子らと一緒に、競馬場へ行ってきた」と楽しそうに話す課長
発端は、男性しかいなかった部署に、女性2人が新入社員として入社したことだった。課長は男性社員に対し、
「この子らには何も教えるな。なぜなら、会社としては本当は取りたくなかった、けど、学校側がどうしてもって言うから取っただけやから。会社の指示や、わかったな」
と念を押していた。新入社員を放置して早めに辞めてもらおう、ということだろうか。男性は「あほらし」と思ったが、「とりあえずわかったそぶりの返事」をした。
結局、女性社員は男性の所属する部署に配属されることに。そして何日後かに男性は彼女たちを昼食に連れていった。すると帰ってきたところで、待ち構えていた課長に、
「いまさっき親会社の社員から俺に連絡があった。お前があの子らと昼食に行ってると。何してんね。あれほどなんもするなって言うたやろ。お前はなんもわかってへんのか」
と部署の全員がいる前で怒られたというわけだ。おそらく男性は、昼食に連れていっただけで「何も教えるな」という指示に背いたつもりはなかっただろう。話はこれで終わりではない。それから何日か経ち、部署の飲み会が行われた。そこで男性は衝撃的な光景を目にする。
「課長が『この前、この子ら(女性社員)と一緒に、競馬場へ行ってきた』と楽しそうに話しだし、その子らも楽しそうに話してました」
女性社員を昼食に連れていっただけで、みんなの前で怒鳴られた男性の心情を思うと気の毒になる。当の男性は「どうでもええわ、あほらし、勝手に盛り上がっとけ」と思い、相手にしなかったそうだが、
「今になり、やっぱりあの時に、場の雰囲気を壊してもええから、やっとくべきやったな、と少し後悔しています」
とこぼした。これは10年ほど前の話だが、それだけ経っていても鮮明に覚えているほど、強烈な出来事だったのだろう。
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