求人に書かれていた内容と面接で聞いた内容が全く違ったという不満の声を上げる人が後を絶たない。宮城県に住む50代男性(その他/年収350万円)もその一人だ。
栄養士と調理師の資格がある男性は福祉法人に勤務していたが、その法人の「妹夫婦を栄養士と調理師として入れる」という方針転換でリストラされ、転職活動することになった。そこで男性は思い切って故郷を離れ、妻の実家のある北海道旭川市の委託給食会社に面接に行くことにした。(文:林加奈)
「社員募集で出したけど、埋まってしまって。今はパートしか枠がない」
募集要項に書かれていたのは「旭川の中規模病院、現場栄養士としての募集で引っ越し費用は会社負担」とのこと。ところが、いざ面接に行くと担当者からこんなことを言われた。
「旭川の〇〇は、社員募集で出したけど、埋まってしまって、今はパートしか枠がない。パートとして空きを待つか、ほかの病院に勤務してもらうかだな。でも栄養士は全部埋まってる。調理師なら空きもあるけど、あなたは栄養士も調理師も資格があるし、調理師としてならほかの病院に採用するけど。給与は、栄養士と同じで。ちなみに場所は、網走なんだけどいいよね。どうせ仕事探してるんでしょ。旭川が空いたら、コッチに来ることもできるかもしれないし」
旭川での勤務のはずが、網走での勤務を提案される始末。ちなみに、旭川から網走までは約200km離れており、車で3時間以上かかる。無職になるのが嫌だったという男性は、その場では仕方なく了承。その後、調理師に義務付けられている検便のための検体容器や入社書類を渡され、いざ帰ろうとしたとき、面接官からさらに驚きの一言があった。
「アッ、調理師は引っ越し代は出ないから。自己負担でよろしくね」
職種も勤務地も替えられた挙句、引っ越し費用も負担してもらえないというから、もはや悪質な求人に引っかかったとしか言いようがない。男性は唖然としつつも、宮城県から旭川まで面接に来ていたので、帰りの飛行機に乗るために千歳に向かった。そして機内で決心がついたのか、
「帰宅してから、即行で断りの連絡をしました」
と、当然の顛末を書いていた。
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