トヨタGAZOO RacingからWEC世界耐久選手権に参戦するマイク・コンウェイは、同チームにおける過去の経験により、新たにレースドライバーとなったニック・デ・フリースはトヨタGR010ハイブリッドのスピードにすぐに慣れるだろうと信じている。
デ・フリースは2023年11月、トヨタの2024年のハイパーカーラインアップにおいてホセ・マリア・ロペスの後任となることが明らかにされた。このオランダ人ドライバーはコンウェイ、チーム代表を兼ねる小林可夢偉とともに、7号車トヨタGR010ハイブリッドをドライブする。
一方のロペスは今年、トヨタが支援するアコーディスASPチームからレクサスRC F GT3を駆ってLMGT3クラスに参戦する。
2020年半ばから2022年までトヨタのリザーブドライバーを務め、その後2023年にアルファタウリからF1でレースするチャンスを得たデ・フリースにとっては、かつて所属したチームへの復帰となる。
デ・フリースは2023年シーズン終了後、カタールでのテストでGR010ハイブリッドをドライブし、1月にはモーターランド・アラゴンとポール・リカールでのウインターテストでさらに走行距離を稼いだ。
コンウェイは、デ・フリースがトヨタに精通していることにより、3月2日にカタールで行われる開幕戦に向けて、彼が調子を上げることに懸念はないはずだと信じている。
「ニックは堅実なドライバーで、速い」とコンウェイはSportscar365に語った。
「彼はみんなと仲が良いしと思うし、数年前に僕らと一緒にいたときから、すでにそうだったんだ」
「僕らは彼のことを知らないわけではない。彼の資質と彼がチームに何をもたらすかを、僕らは知っているんだ」
「ホセがこのマシンに乗らないのは明らかに悲しいことだけど、彼はまだLMGT3プログラムにおいてファミリーの一員だ。そしてニックとの関係は、興味深いものになるだろう。彼は優しいし、(体重も)軽いので、もしかしたら僕らのちょっとした秘密兵器になってくれるかもしれないね!」
コンウェイはまた、28歳のデ・フリースがシーズン途中にF1のシートを失ったことを受けてトヨタに復帰するというニュースは、まったくの驚きではなかったと認めた。
「あちこちで噂が聞こえてきたが、その後ニックがもうF1にいないことは分かっていた。最終的にそれが判明するまでに、噂はさらに強くなっていった」とコンウェイは語った。
「これは状況、タイミングの問題だ。僕らドライバーがこれらのことについて交渉する傾向にある、ちょうどそんな時期でもあったので、(ニックの件は)それらのうちの一件にすぎないよ」
2024年も引き続きセバスチャン・ブエミ、平川亮とともに8号車トヨタGR010ハイブリッドをシェアするブレンドン・ハートレーは、チームからロペスを失うのは悲しいと付け加えた。
「ホセは長い間チームの大きな一員だった」とハートレー。
「彼は素晴らしい人格者であり、僕の良き友人だ。ここ数年、僕らはとても絆の強い、素敵なファミリーとなった。彼がチームの一員でいられなくなるのは寂しいと言えば、僕はみんなの気持ちを代弁できると思う」
「だけど彼はまだパドックにいるだろうし、レクサスに乗っているファミリーの一員でもある。ただ、僕らはこれまでより少し頻繁に、彼にパッシングライトを浴びせる必要が出てくるね!」
ハートレーは、昨年の可夢偉チーム代表の発言に同調し、パフォーマンスだけを見てロペスを外した根拠はないと感じていると付け加えた。
「ホセは常にフィールド全体の中で、もっとも速いドライバーのひとりだった」
「僕ら6人は僅差で、誰が一番速いかはその日によって違った。時にはそれは僕であり、時には他の誰かだった」
「正直に言って、そこに弱点はなかったんだ」