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『ONE PIECE』ルフィの復活めぐる“茶番”? 黄猿、本当に世界政府を裏切るかを考察

2024年02月07日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

photo:Zoltan Tasi(Unsplash)

 『ONE PIECE』は今年で連載27周年を迎える長寿マンガだが、すでに物語は「最終章」に突入しており、作中ではクライマックスを感じさせる展開が巻き起こっている。そこで気になるのは、終盤に待ち受けているであろう“宿命の対決”の数々だ。


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  同作の登場人物たちのあいだにはさまざまな因縁が描かれており、「いつか直接対決によって決着を付けるはず」と予想されている組み合わせも多い。本稿ではその中から、完結までにぜひ実現してほしい3つのビッグマッチを取り上げていきたい。


  まず因縁が積もりに積もったキャラクターとして、語ることを避けては通れないのが「赤犬」ことサカズキ。かつては海軍本部大将で、現在は元帥の位置にまで上り詰めており、あらゆる意味で“海軍の正義”を象徴するような人物だ。


 「徹底的な正義」という信念を掲げている通り、自身が“悪”と断定した者を容赦なく排除してきたサカズキは、おそらく作中でもっとも多くの恨みを買っている。とくに読者にとって印象的なのは、マリンフォード頂上戦争でポートガス・D・エースを葬ったことだろう。


  今後、誰かがエースの報復を仕掛けることが予想できるが、その候補として有力なのは革命軍の参謀総長・サボだと思われる。サボはエースの義兄弟であり、「メラメラの実」の後継者として彼の意志を受け継いでいる。また革命軍としても世界政府と対立しているため、サカズキと対決する日が来てもおかしくはない。


  そして革命軍の総司令官であるドラゴンも、サカズキと何かしらの因縁があるようだ。というのも第1097話では、ドラゴンが過去に海軍に所属していたことが明かされており、時期的にサカズキの同期だったとも考察されている。逆にサカズキがドラゴンを意識するような言動を見せていることも気になるところだ。この2人が対決する可能性もありえるものの、むしろ“新世代”のサボがドラゴンの代わりにサカズキに挑むのではないか……と予想してみたい。


  また、クライマックスが近いということで、これまで作中でほとんど描かれてこなかったシャンクスのバトルシーンにも期待が高まる。とはいえ作中での格や実力を考慮すると、よほどの大物でなければ、シャンクスの相手は務まりそうにないだろう。しかもシャンクスに関しては、なぜか五老星と通じているような描写があるため、普通の海賊と違って世界政府の勢力と激突しそうにない。


  そこで大穴的に浮かび上がってくるのが、同じ四皇の地位をもつバギーとの対決だ。2人には浅からぬ縁があり、子どもの頃から同じ「ロジャー海賊団」の見習いとして過ごしていた。いがみ合うこともあったものの、バギーはシャンクスを内心では認めており、「次世代の王」とまで見込んでいたという。しかしシャンクスが今のところ海賊王を目指すつもりはないと言ったことで深く失望し、決定的な仲違いに至っている。


  それから数十年の時を経て、奇しくもシャンクスとバギーは同じ夢を追いかけ始めた。あらためて「ひとつなぎの大秘宝」を目指すことを宣言したのだ。この描写は偶然ではなく、2人がふたたび“ライバル”となったことを示唆しているように見える。実力の差はともかくとして、もし実現すれば、盛り上がること間違いなしの対決となるだろう。


ルフィ最大のライバルとの戦いは……


 『ONE PIECE』のクライマックスでは主人公であるルフィにも、これまで以上に大きな戦いが待ち受けているに違いない。


  主人公という性質上、作中の大部分のキャラクターと因縁があるとも言えるのだが、その中でも注目したいのはやはりライバル対決ではないだろうか。すなわち、ルフィが海賊になって初めて出会った相手、コビーとの戦いだ。


  コビーはルフィの友人でありながら、海軍将校を目指したため道を分かつことになった。現在は海軍本部機密特殊部隊「SWORD」の一員として、ガープに一目置かれるほどの将来有望な逸材となっており、その戦闘力も高いポテンシャルを秘めている。


  ルフィとコビーは、これまで3回戦いを繰り広げており、最初はシェルズタウンにてコビーの体面を守るために茶番として殴り合った。そしてウォーターセブンで再会した際は腕試しのような手合わせを、マリンフォード頂上戦争ではそれぞれ海賊と海軍として手加減なしの戦いを行っている。いずれもルフィの圧勝で終わっているが、コビーが着実に成長しているのも事実だろう。


  尾田が直々に監修を行ったNetflixの実写ドラマ『ONE PIECE』では、コビーが“もう1人の主人公”として強い存在感を与えられていたが、これもまた意味深だ。本編のラストにて、ルフィとコビーという2人の主人公が激突する展開が待ち受けているのではないかと考えたくなる。


  サボとサカズキ、シャンクスとバギー、ルフィとコビー……。運命が絡まり合うキャラクターたちは、どんな戦いを繰り広げるのだろうか。最終章の展開に期待せざるを得ない。


(文=キットゥン希美)