Text by CINRA編集部
映画『燃えるドレスを紡いで』が3月16日からK’s cinema、シネクイントほか全国で順次公開。ポスタービジュアル、予告編が到着した。
『生きてるだけで、愛。』の関根光才が監督を務めた同作は、2009年に「YUIMA NAKAZATO」を設立し、2010年7月、日本人としては森英恵以来2人目となるパリ・オートクチュールコレクションの公式ゲストデザイナーに選ばれた中里唯馬に1年間密着したドキュメンタリー。中里と共にケニアに渡った関根監督はショーの裏側にも密着し、クリエイターの葛藤や新しい事への挑戦、チーム一丸となってショーの成功へ向かっていく姿を映し出す。
予告編では「生み出された衣服はどこに行くのか」という問いの答えを探しに衣服の最終到達点と言われるケニアに向かった中里が「ファッションの現実」に絶望する様子や、セイコーエプソンの協力により新素材生地とデジタル捺染を融合した新しい衣服づくりの可能性に挑戦する姿が捉えられている。
ポスタービジュアルには役目を終えた衣服が集まったゴミ山を目の前にした中里の姿が写し出されている。
【関根光才監督のコメント】
ゴミという問題は非常に深刻です。
でもゴミという概念は人間が作ったもの。
自然界にはゴミという概念自体が存在しないからです。
ならばゴミとされているものを新しい資源として、より本気で捉えられないだろうか?
今回、唯馬さんのパリコレの制作プロセスを追いかける中で、ファッションが抱える大きな社会課題にチャレンジしている画期的な技術が日本にあることも知りました。
近しい夢を見ている人々と共創して、ゴミという概念も、服に対する概念も、もしかしたら「何がオシャレでスタイリッシュなのか」ということに対する概念も、違う角度から見れるようになるきっかけになれればというのが今回の作品です。
【中里唯馬のコメント】
もともとは別の企画で知り合い意気投合した関根監督から、2年ほど前に世界の実情を一緒に見に行ってその旅をドキュメンタリーにしないか、と提案されたところからはじまりました。
結果的に私のショーの舞台裏のすべてにカメラが入るという私にとっても初めての経験になりました。
衣服は何処からやって来て何処へ行くのか。
私たちは普段、息をするように、当たり前のように服を着て生活しています。
本作を観た方たちが、少し立ち止まって、衣服って何だろう、何で着ているんだろう、そんな風に考えるきっかけになっていただけましたら嬉しいです。
そして自分の目の前にある「衣服」の見えてない部分へ、想像力を広げていただけたらもっと嬉しいです。
実は見えていないことのほうが大きいと思うので、たどり着く先を本作で垣間見ることにより、服に対する見え方がきっと変わると思います。