2024年02月06日 18:11 弁護士ドットコム
サッポロビールが製造・販売するワインのラベル表記に誤りがあったとして、同社は2月2日、謝罪した。中味や成分には問題はなく、回収などしないという。同社は弁護士ドットコムニュースの取材に「昨今の食品業界における誤表示の対応等を総合的に考慮し判断しました」と説明した。
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サッポロビールといえば、かつて販売予定だったビール「LAGER」のスペルが誤っていたことで、回収騒ぎになったところ、一転して発売されたことがある。当時、「食品ロス」の問題意識が高まりつつある中で、実際に「もったいない」という消費者の声が企業の決定を動かしたケースだった。
サッポロビールによると、ラベル表記に誤りがあったのは、主に北海道エリアで発売中のスパークリングワイン「恋ふるぶどうスパークリング」。
商品の「品目・税率適用区分」は「果実酒(発泡性)① 」であり、そのように記載すべきだったが、2021年4月の発売時から2年半以上、「果実酒(発泡酒)①」と記載していた。
1月22日に税務署にミスを報告し、1月25日に指導を受けたという。
〈1月29日以降、弊社より出荷する商品については、すべて正しい表記にて販売するとともに、2月2日以降、順次店頭でも本件を表示し、お客様にお知らせいたします。〉
再発防止のため社内のチェック体制を強化するとしている。
サッポロビールといえば、かつてビール缶のラベルデザインに誤りがあり、一度は発売中止をアナウンスしたものの、「もったいない」といった声を受けて、一転して発売されたことがある。
ビール「開拓使麦酒仕立て」のデザインで「LAGER」とすべきところ、誤って「LAGAR」と表記されていた。最終的にビールの中味や成分だけでなく、表示にも問題がないと判断され、2021年2月に発売に至った。
食品ロスの意識が大いに注目されるきっかけとなった出来事の一つとしても数えられる。
今回の誤記に関しては、サッポロビールは「酒類業組合法にかかわる、表示間違い」と説明する。
「開拓使麦酒仕立て」におけるケースとは性格の異なるもののようだが、やはり発売中止や自主回収はしないといい、対応については「昨今の食品業界における誤表示の対応等を総合的に考慮し判断しました」(サッポロビール)
同社は「『食品ロス』の削減は世界的な課題であり、当社としても重要な課題と位置づけ、 持続可能な社会に貢献するための食品事業者としての責務を果たして参ります」とコメントを寄せた。