マネージングディレクターのジョナサン・ディウグイドは、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのレース全体にわたる任務の遂行こそが、2024年デイトナ24時間レースにおける勝利の鍵となったと述べ、7号車ポルシェ963のチームとドライバーの仕事ぶりを称えた。
フェリペ・ナッセ、マット・キャンベル、デイン・キャメロン、ジョセフ・ニューガーデンは、1月27~28日にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われたIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の2024年開幕戦で、31号車キャデラックVシリーズ.R(アクション・エクスプレス・レーシング)との白熱した戦いの末、チーム・ペンスキーにとって1969年以来、ポルシェにとっての19回目のデイトナ総合優勝をもたらした。
■涼しい時間帯に好走。日中は「厳しかった」
コース上で一進一退の攻防を繰り広げた後、ナッセは最終ピットストップで31号車のトム・ブロンクビストを逆転した。これは、勝利に向けて絶好の位置につけていたキャデラックよりも、ナッセのエネルギー消費が少なかったことも一因だ。
「我々は決勝の間ずっと、基本的に最終目標のリザルトに向けて調整され、組織化されていた」とディウギドは語った。
「終盤には何度かチャンスがあったが、幸運なことにイエローが出て最後のチャンスを与えてくれた。そしてチーム全体がそれを実行した」
「フェリペは給油やピット作業について言及した。ピットクルーは決勝の間、非常にスムーズだった。何かダメージがあっても、迅速に修理してくれた。すべてはチャンスを作り出すためであり、最終的にはそのとおりになったんだ」
ポルシェのLMDhファクトリー・ディレクターのウルス・クラトルによれば、1周のペースに優れるキャデラックに対し、ポルシェ963は早朝の涼しい時間帯に優れた性能を発揮したことで、24時間レースの終盤に向け優位に立てたという。
「簡単に逆の方向に進む可能性はあった」とクラトル。
「本当に、本当にきつかった。まだ余力があるかと何度か尋ねられたけど、もう我々のポケットには何も残っていなかった」
「早朝、まだ暗く寒かったとき、そこが我々のクルマの強さだった。たとえば、昨年のセブリングでは、すでにその兆候が見られた」
「ここでもそれが功を奏した。 昼間になると、厳しかった」
最後の数周でトラフィックを乗り越えてリードを広げたナッセは、最後のピットストップがレースの決定的な要素だったと語った。
「レースはまさに、最後のピットストップまで勝負がもつれこんだ」とナッセ。
「燃料の数値(燃費)がすべてであり、それぞれは僕らが達成しようとしていたエネルギーの数値だった」
「これはチーム、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの素晴らしい判断だったと言わなければならない。レースの最終盤で、再びトップに立つ機会を与えてくれたんだ。そして、その燃費の数値で走りながらも31号車に抜かれないようにするという部分は、僕の手にかかっていた」
ナッセはさらに、次のように付け加えた。
「24時間のレースを続けてくると、最終的には多くの感情が湧いてくる。まだ終わっていないことだけは分かっていたから、ゴールラインまで集中力を保ち続けた。31号車がプレッシャーをかけ続けていたときも、多くのトラフィックがあった」
「僕らの思いどおりの結果となって良かったよ。2023年は、とくにここデイトナでは大変な苦労をしてきたけど、これが僕ら自身に与えられる最高の贈り物だと感じている。チーム、そして彼らが1週間行ってきた仕事全体に、とても満足しているよ」