転職エージェントにも当たりはずれがあるようだ。兵庫県の40代前半の女性(福祉・介護/年収400万円)は、介護職の正社員を希望し転職活動をしていたとき、エージェントから勧められた施設で面接前に不採用を言い渡されたことがあるという。無駄足を踏まされた女性は「なんで私はここにいるのだろう?って気持ちでいっぱいでした」と当時の胸中を振り返る。(文:福岡ちはや)
「あなたの経歴だとエージェントからの採用は難しい」
そもそも、その施設の募集は夜勤専従の仕事だったため、女性は面接に乗り気ではなかった。しかしエージェントが何度も勧めてきて「正社員枠で面接してくれる」と言うので断りきれず、翌日午前中の面接が急遽決まったのだった。
女性は同日午後に別の面接を控えていたが、慌てて履歴書を追加で作成し面接に向かった。それにもかかわらず、施設長は開口一番に、
「実は正社員での募集はしていない。あなたの経歴だとエージェントからの採用は難しい」
と言い、その場で女性を不採用にしたのである。なにもかもがエージェントの話と違いすぎて、女性は困惑しただろう。
ところが、事態はここから思わぬ展開を見せる。何を思ったか、施設長が「ほかにも面接予定あるの?」と聞いてきたため、女性は午後から別の面接があることを伝えたそうだ。すると、なぜかそのまま「面接練習としての面接」がスタートし、さらには施設長が女性に向いていそうな施設形態まで考えてくれたという。介護の施設形態には入居型の老人ホームや通所型のデイサービスなど様々ある。
「無理やり面接を組んだエージェントの対応も、募集してないのに面接を組んだその施設にも最初は怒りすら覚えましたが、面接練習のおかけで午後からの面接はバッチリ受け答えできました。今は、午後から受けた施設で楽しく働いています」
その施設長のほうが、よほど転職エージェントに向いているのではないか。女性に無駄足を踏ませたエージェントは施設長を見習ってほしいものだ。
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