埼玉県に住む30代後半の女性(年収100万円未満)は、「美容師のパート」の面接に臨んだ。ところがオーナーに面接自体を忘れられていた上、給与や交通費など待遇面に一切答えてもらえないまま採用される。
違和感をもちつつも、迎えた初出勤日。「指定の時刻に指定された場所」で待っていたが、誰も来ず。結局、「社員通用口で理由を話し、中に入れてもらえた」が……。(文:長田コウ)
「他のスタッフに私のことを悪く言ったから雇えません」
職場に到着したのは、「10時の勤務開始時間ギリギリ」だった。自身に非はないにもかかわらず、「何でギリギリに来ているの?という空気」を感じた女性。あまりにも不憫である。遅れた理由を話し、「私宛の書類は置いていないか」とスタッフに聞いた。
「私宛の書類」とは、給与など労働条件について書かれた書類で、事前にオーナーと約束したと思っていた女性。まず書類に目を通し、納得がいく条件なら働く予定でいた。しかし、信じられない展開はここからだった。そのスタッフは、書類はおろか、
「『迎えの話も何も聞いていない』と言われました」
状況が飲み込めないスタッフはオーナーに電話をかけた。オーナーとつながり、女性に電話を代わるよう言ってきた。このあと女性はオーナーに衝撃的な対応をされる。
「なぜか、『今すぐ帰れ!雇えません!』と言われ電話を切られました」
突然のことで、女性は驚いただろう。これについて、オーナーに電話したスタッフが「私の態度が悪いと感じて私のことを悪く言ったのでしょう」と推測している。そして、女性は本心をこう明かした。
「面接をすっぽかされ、初日の迎えも忘れられ、何でギリギリに来てんだよと嫌な空気で私がムスッとなってしまうのも自然な反応だとは思いますが」
不信感をもった女性は、帰宅してから「労働基準監督署に電話」をした。そのアドバイスを受けて女性は、オーナーに電話し「帰れとはどのような意味なのか」と聞いた。すると……。
「『他のスタッフに私のことを悪く言ったから雇えません』と電話をガチャ切りされました」
この態度に女性は納得がいかなかったのだろう。労基に電話相談した際に「LINEのやりとりの印刷、シフト表の画像」があれば「雇用契約書にサインがまだでも解雇予告手当が請求できる可能性が高い」と言われたそうで、電話の録音も用意して相談に行った。
解雇予告手当は、解雇の通知が解雇日から30日未満の場合に会社から支払われる。しかし実際には「雇用契約書を交わしていないと請求はできませんでした」と残念な結果に終わった。ただ、この経験から得た教訓もあるようだ。
「違和感をもったら関わってはいけないなと思いました。学生時代振りのアルバイトでの勤務で、今回は社員ではなからと考えてしまったのが甘かったです」
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