求人情報に「残業代支給」「土日休み」と書かれていても、面接を受けて実態に偽りがあったと分かるケースは珍しくない。そんなデタラメな情報は、求職者として迷惑極まりないことだ。
群馬県に住む50代女性(サービス・販売・外食/年収150万円)は、「パート」の募集だと思って訪れた面接で、
「うちね、フルタイムで働ける人が欲しいのよね。パートじゃなくて正社員として長く働ける人」
と言われてしまったエピソードを明かしてくれた。(文:林加奈)
「でしょ~。というわけだから今回の話はなかったということで」
それは15年ほど前のこと。女性はハローワークの紹介で家電量販店の事務の面接に行った。
「息子がまだ小さかったこともあり、パートで働ける仕事を探していた際に紹介された企業さんでした」
「面接に行く前にハローワークの担当者さんが事前にアポをとってくださっていたので、面接当日までは相手方とは話をしていない状況でした」
企業と直接話してはいなかったが、パート勤務の希望は明確に伝えていた。ところが面接当日。指定された日時に訪問すると年配の女性が対応し、面接が始まってすぐに
「子どもさんがいるのね。うちね、フルタイムで働ける人が欲しいのよね。パートじゃなくて正社員として長く働ける人」
と、女性の履歴書を見ながら話し始めたという。
「『は?』と思いました。ハローワークの募集要項とは真逆のことを言いだしたのです」
驚きの発言に唖然としながらも、女性は「すみません、子どもがまだ小さいですし、フルタイムはちょっと難しいです」と返したそう。すると……
「でしょ~。というわけだから、申し訳ないんだけど今回のお話はなかったということで、ごめんなさいね」
と、相手は履歴書を机に置いて立ち去ったという。「私は見送られることもなく、そのまま帰りました」と信じられない対応を振り返り、「ハローワークで紹介されたから行ったのに(泣)」と怒り心頭の様子だ。
応募者を放置するように立ち去るのも失礼だが、募集要項と違うことを言いながら平然と不採用にする態度は悪質と言わざるを得ない。
ハロワに報告したら「えっ!!」と驚かれ……
翌日、女性はハローワークに行き、この件を伝えた。「パートの募集とありましたが、フルタイムの正社員が欲しかったと面接時に言われました」と伝えると、
「『えっ!!』と驚かれ、私が募集した企業の募集内容を確認し始めました。『正社員とは書かれてませんね。パートで時給の提示もあります。ちょっとこれは問題があるので、企業側に確認して場合によっては今後この企業からの募集は受けないようにします』と言われました」
こうした虚偽記載の求人は、ハローワークに報告するといいようだ。女性によると「あとで検索したら、この企業の募集は消えていました」とのことだった。
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