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住友ゴム工業、サステナブル原材料比率76%のレースタイヤを開発。前年から約2倍の原材料比率を実現

2024年01月17日 14:20  AUTOSPORT web

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住友ゴム工業/ダンロップが開発したバイオマスとリサイクル原材料を使用したサステナブル原材料比率76%のレースタイヤ
 スーパーGTをはじめ、さまざまなレースカテゴリーにダンロップタイヤを供給する住友ゴム工業は1月17日、バイオマスとリサイクル原材料を使用したサステナブル原材料比率76%のレースタイヤを開発したことを明らかにした。

 住友ゴム工業は2023年3月にサステナブル原材料比率38%のレースタイヤを開発を発表。その発表を前にした2022年12月に『ホンダレーシングサンクスデー2022』でModulo Nakajima Racingの64号車ホンダNSX-GTが同タイヤを装着し、デモンストレーションレースに参加していたことは昨年オートスポーツwebでもお伝えしたとおり。あれから約1年が経過し、原材料比率が約2倍となった76%のサステナブルレースタイヤがお披露目された。

 今回発表となったサステナブル原材料比率76%のレースタイヤは、天然ゴムや天然由来の原材料、サステナブル合成ゴム、鉄スクラップから再生した材料などを使用することで原材料比率引き上げを実現。サイド部のロゴステッカーデザインは、ダンロップのブランドロゴ左端に描かれたシンボルマークから放たれた矢が変化し、SDGsの17の目標を意味する17枚の葉で構成されたグリーンのチェッカーフラッグにたどり着くという想いが込められている。

 サステナブル原材料比率76%のレースタイヤは、2023年12月に開催された『ホンダレーシングサンクスデー2023』のデモンストレーションレース『NSX-GT Last Race』で64号車に装着され、伊沢拓也、太田格之進がステアリングを握ったところ、両ドライバーは「グリップ感もあり従来タイヤと遜色なく走行できる」と評価したという。

 住友ゴム工業は2023年3月にサステナブル原材料比率38%のレースタイヤを開発を発表し、2024年までにレース投入することを目標に開発を進めていた。そんな中、ダンロップタイヤのワンメイクで開催されている2023年全日本カート選手権のEV部門第3戦にサステナブルタイヤを前倒しで投入。その後も幾度となく材料選定を行い、今回のサステナブル原材料比率76%のレースタイヤの開発に成功したとしている。

 住友ゴム工業は「引き続きダンロップがタイヤ供給を行うトップクラスから入門クラスまでの幅広いカテゴリーへの投入も視野に、さらなる改良・チューニングを行うことで、サステナブルなモータースポーツの実現に貢献していきます。最新の車両が投入されるタイヤ開発の最前線にあたるモータースポーツ分野において、サステナブル原材料を使った製品開発を行うことで、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを加速していきます」としており、今後の技術進化や展開にも注目が集まりそうだ。