信頼関係を築くには時間がかかるが、崩れるときはあっけない。それは学生時代から続く友情でも同じだ。大阪府の50代前半女性(教育・保育・公務員・農林水産・その他/年収450万円)は、
「とても仲の良かった友人と、引っ越しを機に絶縁しました」
と明かす。
その友人は「高校生のときからの友達で、何をするにも一緒。趣味も一緒」だった。女性も友人も20代で結婚してからは子育てのことなど相談し合う関係に。下の娘と友人の子どもが同じ年齢で同じ学校に通っていたため、学校の行事にも一緒に行くなど「本当に何をするのも一緒でした」と仲の良さを強調する。
「お互い40代になり子どもも大きくなり、変わらずこの先も仲良くやっていけると思っていたのですが…」
何十年も一緒に過ごしてきた2人に一体、何があったのだろうか。(文:谷城ヤエ)
「旦那さんが小さい男の子連れて歩いてた。隠し子違うん?」
女性は、長年の友情に綻びが生じたきっかけをこう振り返る。
「あるときから彼女が話す他人に対する悪口というか、噂話のようなものがすごく嫌になってしまったのです。私たちが住んでいたのは田舎で、近所付き合いもめんどくさいほどあるようなところです」
女性が暮らしていた場所は「誰かが何か目立つようなことをすると、すぐに噂が広まるぐらい」だった。ある日、友人から「〇〇さん(バツイチの年上の近所の女性)って、息子の同級生と体の関係があるらしいよ」という話を聞いたという。
「もちろん今までも噂話は彼女の口から聞くことはあったのですが、その当の本人に詳しい話を聞きそれを私に面白おかしく話すようになってきたのです。もちろんその近所の方は、私にそんな話をされていることは知らず、当の本人しか知らないような恥ずかしい話まで私の耳に入るようになってきました」
女性は最初は笑って聞いていたが、段々と聞くのが嫌になり、その話題が出るたびに話を変えるようにしていた。そんなとき、女性の夫と友人の夫がそれぞれ浮気していることが発覚。
「お互いの気持ちを慰め合ったりして、自分の本心を彼女に聞いてもらったり彼女の気持ちも聞いたりしていたのですが、そのうち彼女から私の旦那の行動が報告されるようになったのです」
報告の内容は、
「旦那さん、スーパーで若い女性と仲良さそうに買い物してたよ」
「実家の母が、〇〇子(女性の名前)の旦那さんが小さい男の子連れて歩いてたの見たって言ってたよ。隠し子違うん?」
といったもの。随分細かいところまで観察されていた様子だ。
「旦那の行動を報告なんかしてほしいなんて頼んでもないし、自分の母親にまで私の話をしてるんだ、と思ったら怒りを通り越して呆れました。今までの20年以上の間の私の話や、家のことなどもすべて誰かに話してると思ったら、怖くなったし信用できないと、気づくのが遅かった自分を責めました」
長い付き合いの友人だからこそ信頼して話した部分もあるだろう。そんなことはつゆ知らず、浅はかな行動を取る友人に失望してしまったようだ。
その後、女性は離婚して下の娘が進学したことを機に他県に引っ越した。
「連絡先も知らせず逃げるようにして彼女から離れました」
それから7年経つ。
「私が逃げるように引っ越ししてきたことは、きっと当時噂話として彼女口から広まっていたんだろうな…と想像できます。笑」
とは言うものの、噂話が入ってこない距離にいれば痛くも痒くもない。苦手な人物と距離を置きたいなら、物理的に離れることがもっとも効果的なのだろう。
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