野田サトル原作による実写映画「ゴールデンカムイ」の完成披露舞台挨拶が、本日1月10日に東京・東京国際フォーラムで開催された。
【大きな画像をもっと見る】完成披露舞台挨拶には杉元佐一役の山崎賢人、アシリパ役の山田杏奈、尾形百之助役の眞栄田郷敦、白石由竹役の矢本悠馬、月島基役の工藤阿須加、二階堂浩平/洋平役の柳俊太郎、谷垣源次郎役の大谷亮平、梅子役の高畑充希、永倉新八役の木場勝己、鶴見篤四郎役の玉木宏、土方歳三役の舘ひろし、久保茂昭監督が参加。まず登壇者たちは紗幕にシルエットで現れたのち、姿を見せる。その後は会場中央のランウェイを歩き、観客とのグリーティングを楽しんだ。
これから本編を視聴する観客に向け、「やれること全部やりました!」と言い切る山崎。撮影を振り返り、「北海道に行った意味が間違いなくありました。雪の中でのアクションだったり、寒さを感じながらご飯を食べたり、北海道だからこそ出せたものがたくさんあると思います」と述べる。山田はアシリパ役に決まったときのことを「マネージャーさんと今までで一番じゃないかってぐらい喜びました。『やったぜ!』って」と述懐。劇中でアシリパはさまざまな変顔を見せるため、山田は「スマホの内カメラで自分の顔を撮りながら原作マンガと比べました。白目を剥いてる顔が多いので、鏡だと確認できないんです。今もスマホの中にはいっぱい変顔があります(笑)」と明かす。
鶴見中尉を演じるにあたり、“狂気の沸点”を意識したという玉木。山崎演じる杉元とのシーンでは「狂気を匂わせているけど『やるぞやるぞ』という感じが出ないように、ブレーキをかけながらいきなりやるということを心がけました」と語る。また玉木は山崎の印象を聞かれ、「いい意味でふわふわしてる。ものすごく大変なことをやってるのに、周りに大変だと思わせない。でもやり切ってしまうすごさがある」と称賛した。
もともと原作ファンの眞栄田は「銃の扱いが尾形を演じるうえでの説得力になるので、現場では常に触るようにしていました」とコメント。杉元と雪上でのアクションシーンについて「賢人さんと初めて会ったのがあのシーンの練習で。2人のテンポも合って、すごく気持ちよくできたアクションでした」と解説する。同じく原作ファンだったという矢本は「白石の自由さを尊重したかったので、あまり計算的にならず、現場の瞬発力や生感を大事にしようと。ほかの皆さんがどう出てくるかで立ち回っていました」と話す。そんな矢本が演じた白石に、山田は「矢本さんならではのアドリブが効いていて、すごいなと尊敬してました」と太鼓判を押した。
鶴見中尉の側近・月島を演じた工藤からは「昔から原作を読んでたんですが、鶴見中尉の再現度があまりにも高くて、すごく楽な気持ちで月島に入れました。皆さんが僕を見て『あ、月島だな』思ったら、それは玉木さんのおかげです」と玉木に対する感謝の言葉も。柳は劇中で絶妙な動きを見せていたとMCに振られ、「原作の二階堂は気持ち悪さも魅力だと思うので、そこは出せたのかな」と話す。しかし山崎は二階堂兄弟に“気持ち悪い”とは別の感情を抱いていたそうで、「めっちゃかわいいです! 赤ちゃんみたいになるのがまたいいんですよね」とニコニコと語った。
大谷は谷垣を「とても生真面目で誠実な男です。すごく人間的で普通にも見えますが、このキャラクターたちの中だとそれが大きな個性にもなる」と紹介。「僕自身が真面目というイメージを持たれることも多いので、そういった部分を出そうと意識しました」と演じるうえで意識した点を述べる。山崎と2020年公開の映画「ヲタクに恋は難しい」で共演した高畑は、「この作品に参加させていただいた理由はもちろん原作ファンだったというのも大きいんですが、山崎くんが杉元だからっていうのはあったので、またご一緒できてよかったです」と思いを吐露。撮影は一番にクランクアップしたそうで「北海道だからみんなの息も白くて、なんでもないシーンを観て『寒かったんだろうな』とか思って泣きそうになったりも。撮影後しばらくして山崎くんに『どう、がんばってやってる?』って連絡したら、顔にクシが刺さってるシーンが送られてきて、携帯を落としそうになりました」と微笑ましいエピソードを明かす。
同い年の木場と舘は、今作の現場で36年ぶりに再会したそう。木場は「36年ぶりにお会いしたのは衣装合わせの日。舘さんの顔をじいっと見て、『生きててよかったな』と思いました。調べてみると、永倉新八さんは土方歳三の大ファンなんですね。私木場勝己も、舘さんの大ファン。ですから、役作りになんの心配もありませんでした。なんちゃって」と茶目っ気たっぷりに愛を表現し、舘を「やられました」と照れさせる。そんな舘はいつか土方歳三を演じたいとかねてより思っていたそうで、「実際の土方歳三は34歳のときに亡くなってるので、私にはこの歳だから無理かと思ってたんですが、野田先生の素晴らしい発想で70いくつまで生きてる土方がいた。この役をさせていただいて本当に幸運でした」としみじみ述べた。
最後に久保監督は「客観的に皆さんのお芝居を見て、本当に生き生きと演じている。各々の個性がすごく出ている」とコメント。「『ゴールデンカムイ』は杉元とアシリパがいて、2人の物語でもあるんですが、白石の話でもあったり、土方の話でもあったり、谷垣の話でもある。それぞれが主役なのかなと思います」と述べ、さまざまな目線があるので何度観ても楽しめるとアピールする。
フォトセッションでは再びランウェイに移動し、客席を背景に撮影。山崎は「『ゴールデンカムイ』にはミステリ、歴史ロマン、グルメ、アイヌ文化、コメディ、冒険、すごく個性豊かなキャラクターたちと、本当にいろんな要素が詰まっています。魅力たっぷりの『ゴールデンカムイ』を、最強のキャストとスタッフで作り上げました。年始一発目の映画はぜひ『ゴールデンカムイ』で楽しんでいただけたら」と述べ、イベントを締め括った。
※記事初出時、見出しおよび本文の役名に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。
■ 「ゴールデンカムイ」
2024年1月19日(金)全国公開
原作:野田サトル「ゴールデンカムイ」(集英社ヤングジャンプ コミックス刊)
監督:久保茂昭
脚本:黒岩勉
音楽:やまだ豊
主題歌:ACIDMAN「輝けるもの」
アイヌ監修:中川裕、秋辺デボ
製作幹事:WOWOW、集英社
制作プロダクション:CREDEUS
出演者:山崎賢人、山田杏奈、眞栄田郷敦、工藤阿須加、柳俊太郎、矢本悠馬、大谷亮平、勝矢、木場勝己、大方斐紗子、秋辺デボ、マキタスポーツ、玉木宏、舘ひろし、高畑充希、泉澤祐希
※山崎賢人の崎はたつさき、柳俊太郎の柳は木へんに夘、アシリパのリは小文字が正式表記。
(c)野田サトル/集英社 (c)2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会