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「年末年始休み12月29日~1月3日」って何ルール? 祝日は元日だけ…法律をひもといてみた

2023年12月29日 09:51  弁護士ドットコム

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2023年もいよいよ終わりが近づいています。年内に片付けようと仕事に追われた職場でも、12月29日から1月3日までは「年末年始の休み」という人が多いのではないでしょうか。


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しかし、カレンダー上で1月1日は祝日ですが、29日(金)、1月2日(火)、3日(水)は平日扱いです。30日(土)と31日(日)は2023年こそ週末の休みと重なりますが、月~金なら同じく平日扱いとなります。



なぜ年末年始は休みになるのでしょうか。実は「ある法律」が絡んでいます。



●祝日でもないのに役所が休みなワケ

祝日については、「国民の祝日に関する法律」が定めています。12月29日~1月3日の祝日は1月1日の「元日」だけですので、年末年始はゴールデンウィークのように祝日が連続した休みではないことになります。



もっとも、「慣例でなんとなく休みになっている」わけではありません。



実は、官公庁などの行政機関については、「行政機関の休日に関する法律」が「12月29日から翌年の1月3日までの日」を休日にすると定めています(1条1項3号)。



「行政機関」とあるので、立法や司法に関しては含まれませんが、そこは抜かりありません。立法・司法それぞれに「国会に置かれる機関の休日に関する法律」「裁判所の休日に関する法律」と個別の法律が存在し、同じように年末年始の休みがルール化されています。立法機関としての国会の開閉は会期で決まります。



地方自治体の役所についても、地方自治法が「年末又は年始における日で条例で定めるもの」(4条の2第2項3号)としており、各自治体の条例で年末年始の休みを定めています。



これら法律および地方自治法ができる以前のルールとして、1873年1月に定められた「休暇日ノ件(休暇日ヲ定ム)」(太政官布告、1947年12月31日限りで失効)があり、「1月1~3日」「12月29~31日」がそれぞれ休暇日とされていました。年末年始の休みが明治の頃からルール化されるほど馴染みのものであったことがうかがえます。



●民間企業は「就業規則」でルール化

前述の法令は公的機関が対象ですが、民間企業についてはどうでしょうか。



年末年始を休みにする直接の法令はなく、一般的には、「昔からの慣例」「公的機関の休みに足並みを揃えている」とされています。ただし、ルールがないわけではありません。



常時10人以上の労働者を使用する企業では、就業規則を作成する義務があります(労働基準法89条)。休日に関しては、就業規則の絶対的必要記載事項です。



ほとんどの就業規則には、「休日は、次のとおりとする」と定めている条文に、日付は前後することがあるものの、「年末年始(12月●日~1月●日)」という記載があるはずです。見たことがないという人は確認してみてはどうでしょうか。



●2024~2025年の年末年始は「9連休」

2023~2024年は、12月28日・1月4日がいずれも木曜日なので、29日(金)から3日(水)までの「6連休」という人も少なくなさそうです。



しかし、2024~2025年の年末年始は、両日が土曜日です。土日休みと年末年始が見事に繋がる形で、28日(土)から5日(日)まで「カレンダー通りの9連休」が実現します。曜日が「木→土」と2日分ずれるのは2024年が「うるう年」で、1年が366日になるためです。



お楽しみの年末年始休みですが、一方でコンビニなどの小売業や飲食店・ホテルなどのサービス業、公共交通機関など、年末年始が繁忙期で休みでない職場もあります。休まずサービスを提供してくれる人がいるからこそ、充実した休日にできることも忘れないでおきたいものです。