2023年12月27日 17:51 弁護士ドットコム
「みんぱく」の愛称で親しまれている国立民族学博物館(大阪府吹田市)が、来年2024年に創設50周年を迎えるにあたり、寄付を募っている。SNSでは、2025年開催の「大阪・関西万博」の予算が当初より大幅に増加していることに絡めて、「大阪万博の予算をみんぱくに回してほしい」「万博よりみんぱく!」という声が上がっている。
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みんぱくは、1970年に開催された日本万国博覧会(大阪万博)の跡地にできた世界最大規模の民族学博物館。2024年に創設50周年にあたり、さまざまな事業を企画している。
12月18日には、50周年の特別サイト( https://www.r.minpaku.ac.jp/anniversary/ )をオープンして、寄付を募り始めた。サイトによると、寄付金は「みんぱく50年史」の編さんやシンポジウム開催の費用にあてられるという。
この寄付金を募るメッセージが報じられると、エックス(旧ツイッター)では「 #万博より民博にお金を 」というハッシュタグがつくられたほか、ユーザーからは大阪・関西万博に対する批判の声まで上がった。
「万博よりもみんぱくに税金突っ込む方がはるかに意義があるだろうに」「とうとうみんぱくも…1970年の日本万博と縁の深い博物館なので、いっそ開催前からすでにこけている大阪万博の予算をこっちに回してほしい」「万博よりみんぱく!金かけるとこまちがってるよ」
今年は国立博物館を取り巻く厳しい経済状況が注目を集めた。
東京国立博物館(東京都台東区)の館長が1月、光熱費の高騰によって予算が逼迫し、国からの補正予算もなかったため、「国宝が守れない」とうったえた(「文藝春秋」2023年2月号)。
同じように、国立科学博物館(台東区)も8月、光熱費の高騰などを背景に、これまで収集してきた標本・資料の維持が難しいとして、支援をもとめた。
科博のクラウドファンディングは、国内最高額となる9億1500万円を集めて注目された一方、国の文化行政には批判の声があがった。