イソッタ・フラスキーニは、穏やかとは言い難いベクタースポーツとの決別後に新たにパートナーシップを結んだデュケーヌ・エンジニアリングとともにエストリルで2日間のテストを実施し、これを成功裡に終えた。
イタリアのメーカーは先月末WEC世界耐久選手権に参戦していたイギリスのLMP2チーム、ベクタースポーツとの関係を終わらせ、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズの常連であるフランスのデュケーヌと提携する計画を発表した。
■JKと20歳のガルシアが参加
今週行われたポルトガル、エストリル・サーキットでのテストは、2024年WECハイパーカークラスに投入される新型ハイパーカー『イソッタ・フラスキーニ・ティーポ6 LMHコンペティツィオーネ』をデュケインが初めて走らせたもので、チームは現在“イソッタ・フラスキーニ・デュケイン”のバナーの下で実行されている。
このテストには開発ドライバーを務める“JK”ことジャン-カール・ベルネイのほか、イソッタ・フラスキーニからWECにデビューする20歳のアレックス・ガルシアも参加し、両名がレースペースに焦点を置いて2日間で計1200km以上を走破した。
クール・レーシングから出場した2023年のELMSでLMP3チャンピオンを獲得したメキシコ人ドライバーは、初めてドライブしたティーポ6 LMHコンペティツィオーネの印象を次のように語った。
「このクルマのテストは、クリスマスが早めにきたようなものだ。超ハッピーさ!」とガルシア。
「実際にそれを見たときの最初の反応は、夢が現実になったようなものだった。このクルマのあらゆるテクノロジーを駆使してドライブすることは(これまでの経験とは)別物だ」
「僕はシステムに慣れるために何ラップもしたが、すべてスムーズに動いた。1周走るごとにクルマのことがどんどん分かっていったんだ。イソッタ・フラスキーニがこのクルマをテストさせてくれたことはもちろん、彼らと一緒にレースをすることができて、とても幸せだ。彼らには感謝してもしきれないよ!」
「カタールでレースをするのが待ちきれない。一方で、その間に可能な限りの準備を進めていくつもりだ」
■SNSで走行動画を公開
イソッタ・フラスキーニのモータースポーツマネージャーを務めるクラウディオ・ベッロは、新しいパートナーシップの下で行われた最初のテストプログラムを成功に位置づけた。
「イソッタ・フラスキーニ・デュケーヌチームによる最初のテストには非常に満足している」と語った同氏。
「アレックス・ガルシアはハイパーカーを運転するのも初めてだったが、ジャン-カール・ベルネイのアシストを受け、非常にプロフェッショナルな振る舞いをした」
「ポルトガルの2日間は、クルマが完璧に動作するいくつかのロングランがあり、タイヤやセットアップ、空力セッティングに関する多くの情報を収集することができた」
既存5社に4つのニューカマーが加わり、全部で9つのブランドが参戦する2024年のWECハイパーカークラスで最初のシーズンを迎えるイソッタ・フラスキーニのマシンは、来年3月2日にカタールで行われる開幕戦『カタール1812km』でシリーズデビューを果たす予定だ。