有休は労働者の権利。積極的に消化していきたいところだ。「有給休暇が取りにくい職場」というアンケートに回答してくれた大阪府に住む50代前半の男性(事務・管理/年収800万円)。しかし男性の職場では「ほぼ消化率は100%」で、取りにくいのは男性だけだという。どういうことだろうか。
どういうこと?「午後半休で済む用事を『○月○日に午後から不在にします』と伝えて、終日で有給休暇の申請をします」
その理由は、男性の仕事内容にあるようだ。男性は総務部の責任者で、「オーナーの秘書業務的なこと」も行っている。「ほとんどがオーナーの個人的な雑用」で、そのためオーナーから「不在となる場合は予め伝えておくように」と言われているそう。これに対し男性は、
「それ自体が煩わしいですし、1日程度の有休が2か月続くと『休み過ぎやろ』と言われます」
と嘆いている。オーナーはいつでも男性に用事を言いつけられるように、休ませたくないようだ。
一方で、近年は年5日の有休取得が義務付けられたことで「余計に面倒臭い」事態になったと男性はこぼす。オーナーと法律の板挟み状態である男性は、オーナーとの円滑な関係を維持しつつ、5日間の有休を消化するために次のような方法を披露した。
「午後半休で済む用事をオーナーには『○月○日に午後から不在にします』と伝えて、終日で有給休暇の申請をします」
また、用事があり定時で上がりたい日には、
「午後半休の有給休暇を申請して、定時前後まで会社にいます。オーナーには休暇の申請は伝えていません。前年度はそれでやっと有給休暇5日消化しています」
と明かした。
このような有休の使い方はもったいないと思ってしまうが、男性自身はいっそのこと、「有給休暇の申請だけして普通に就業してもいい」のだそう。しかし形だけの有休消化が部署内でバレれば問題になるのだろう。そのため上記の方法を取っているらしい。
ちなみに男性は部下には「5日の有給休暇すら取れない会社と思われたくない」という理由で、「部下の有給休暇の申請は全て承認して、ほぼ消化率は100%」なのだとか。男性一人だけが割りを食っているわけだが、
「国の制度もテキトーでなくもっと真剣に考えてもらいたいものです。年5日消化義務で70%の取得率をめざすとかほざいていましてが、なぜ100%でない?有給休暇の時効をなくして積み重なった有給休暇の未消化は退職時に全消化させるようにするなど、真剣に対策してくれないと取得しにくい職場はなくなりません」
と不満をこぼしていた。
※キャリコネニュースでは「有給休暇を取りにくい職場」をテーマにアンケートを実施しています。回答はこちらから https://questant.jp/q/QOBEU7SY