2023年12月22日 07:41 弁護士ドットコム
格安航空会社ジェットスター・ジャパンの労働組合「ジェットスタークルーアソシエーション」(JCA)は、未払い賃金の支払いなどを求めた会社側との交渉が不調に終わったとして、12月22日から一部組合員による指名ストライキ(争議行動)に入る。12月21日付で会社側に通知した。
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JCAは8月3日に争議権(ストライキ権)を確立。すでに12月1日から休日の勤務依頼を拒む争議行為に入っていた。
ジェットスターの機長でJCA執行委員の井小萩明彦氏によると、12月21日も深夜まで会社側との団体交渉が行われたが、組合側が求めていた所定時間外労働に対する未払い賃金の支払い、同意なく減額した通勤手当の支払い、組合事務所の提供および組合掲示板の設置許可について、労働協約が締結できなかったという。
ストに参加する組合員は「今のところ手を挙げているのは60人だが、今後参加者が増える可能性もある」(井小萩氏)。22日のストは機長3人、副操縦士1人が勤務時間を指定する形でおこなうとしている。4人は同日の勤務で国内線が9便、国際線が1便に乗務予定だったという。
JCAによると、ひとまずのスト実施期限として、2024年1月7日までを考えているといい、会社側が代替要員等を確保できなかった場合には、欠航便が出る可能性もある。
井小萩氏は「大変残念だ。求めていた社長の出席もなく、会社側の姿勢がよくわかった」と批判。スト実施について「公共交通機関を担うプロとしてのプライドをもってきちんとやらなければならない。利用客の皆様にはご迷惑をおかけし大変心苦しいが、ご理解いただければ」と話した。
JCAによると、会社側は12月22日朝、人事本部名義で「ストライキに参加する者については、スト当日の会社施設内への立ち入りを一切禁じる」とする旨の警告書を成田本社入り口に掲示したという。許可なく立ち入った場合には「就業規則等に基づき処分の対象とする」とも記載されている。
休日の勤務依頼を拒む争議行為に参加していた者も会社施設に立ち入ることができなくなるおそれがあり、欠航便が増える可能性がある。JCAは「会社はロックアウトの通告をしていない」としている。
(12月22日9時40分、会社側の警告書掲示について追記しました)