RECCOOは2025年卒業予定の学生を対象に、就職活動に関する調査結果を発表した。調査は、2023年10月1日から17日にかけてインターネット上で行われ、1027件の有効回答を得た。
「キャリア選択の際に重視していること」について、最多回答は「業界/企業の安定性が高い」で62.2%だった。24卒と比較すると、18.8ポイントの大幅な増加だ。(文:長田コウ)
「就活を開始するタイミングは、早いに越したことはないと思う」
「第一志望の企業区分」として、8割超の回答があった「大手企業」だが、安定性とも通ずるところがあるからだろう。理由について、「日々生活していくため」や「老後の生活に備えるため」といった将来を見据えた現実的な声があがった。人生のすべての時間を「失われた30年」の中で過ごしたこの世代にとって、安定は最重要ポイントなのかもしれない。
学業もあるため、限られたなかでの就活になる。「就活においてタイパ(タイムパフォーマンス)を意識しているか」という質問には、6割の学生が「意識している」と答え、こんな声があがった。
「ES作成を効率的に進めるため、汎用性の高い項目は使いまわせるようにまとめておく」
「自分が重視する情報の収集には時間をかけるが、あまり重視していないものについて必要以上に時間をかけない」
優先順位をつけるなどして、工夫を凝らしている様子が窺える。タイパを重視する傾向は、夏インターン参加の意思決定にも影響したようで、「志望していない業界/企業のインターンに参加した」と回答した人は55.7%にとどまった。これは昨対比33.5ポイントの大幅な減少である。
一方、参加したと答えた学生からは、「選考の対象になりそう」「スキルが身に付きそう」「本選考に直結している」といった声が寄せられた。自分にとってメリットがあると感じた場合にのみ、参加する意志が感じられる。
就活早期化という言葉をよく聞くようになってきたが、実際の動きはどうなっているのか。「就活を開始した時期」について聞くと、56.9%が「大学3年4月」までに開始したと答えた。昨対比6.5ポイントの増加となり、早期化していると言えそうだ。「大学3年6月」には、9割以上の学生が就活を開始したことも明らかになった。実際の声はこんなものだ。
「就活を開始するタイミングは、早いに越したことはないと思う」
「先輩のアドバイスを受けて始めたら、結果的に早めの動き出しになった」
2023年10月時点での就活状況を聞いたところ、「まだ企業と接点を持っていない」という回答の割合は8.9%で、昨年に比べ半減している。また、内定や内々定をもらった学生は5.6%で、昨年に比べ倍増した。このことからも、昨年と比較して就活が早期化していると言えるだろう。