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プロトタイプ復帰のジョーダン・テイラー、1年おくれのGTPデビューもライバルに「追いついた」

2023年12月19日 19:20  AUTOSPORT web

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デイトナで行われたIMSA公認テストに参加した、ウェイン・テイラー・レーシング・ウィズ・アンドレッティの40号車アキュラARX-06
 2024年より“ファミリチーム”に復帰し、ウェイン・テイラー・レーシング・ウィズ・アンドレッティ(WTRアンドレッティ)の2台めのアキュラARX-06をドライブするジョーダン・テイラーは、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権ですでにGTPを1シーズン経験しているライバルたちに「追いついた」と感じていると語った。

 2017年のDPiチャンピオンであるジョーダンは、コルベット・レーシングで4年間フルタイムで活躍した後、父ウェイン・テイラーが率いるファミリチームに戻ってきた。彼はルイ・デレトラズとコンビを組み、来季2024年より2台体制となるWTRアンドレッティからトップカテゴリーのGTPクラスに参戦する予定だ。

 12月上旬にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われたIMSA公認テストの後、Sportscar365の取材に応じたジョーダンは、これまで対処しなければならなかった重要な要因のいくつかを説明した。とくに、さまざまなシステムを理解するために極端なレベルの研究が必要なLMDhカーの複雑さについてだ。

「GT3マシンとはかなり異なる。DPiと比べてもそれは別のアニマルのようだ」とアキュラARX-06をテストした後に印象を語ったジョーダン。

「ラップタイムの稼ぎ方が違う。(LMDhカーは)より大きなパワーがある一方、ダウンフォースは少ないし、ドラッグも少なくなっている」

「だから、すべてのシステムを使ってマシンをドライブする方法を理解するのは難しく、クレイジーなんだ」

「僕にとってのDPiは、このマシンのドライビングに比べるとヒストリックなものに感じる。僕は頭で一生懸命理解しようとしている。ひとつはマシンを運転すること、もうひとつはこのマシンに搭載されているすべてのツールやシステムを使って、自分がどうすればいいのかを理解することだ」

「学ぶことはたくさんある。ドキュメントやマニュアルを読んで、何がどう機能するのかを理解するのに多くの時間を費やしてきた。でも、それを本当に理解する唯一の時間は、サーキットでそれを感じ、自分自身で変化を経験し、それが実際に何をするのかをドライバーの視点から理解することだと思う」

「(テストは)楽しかったよ。僕は人生でこんなにも多くの情報を読んだことはない。これまで運転したすべてのクルマにはドライバー・マニュアルがついてきたけど、毎晩勉強しなければならなかったのはこのクルマだけだよ」

「そうは言っても、僕にとっては楽しいチャレンジだよ。それはまったく違うもので、僕が経験したことがないものだ。プロトタイプに戻って総合優勝を争うのは楽しいし、(GTカーのように)つねにミラーを見る必要もない」

■新カテゴリーの2年目は答えをくれる先達がいる

 ジョーダンは、兄のリッキー・テイラーとその僚友であるフィリペ・アルバカーキなど、このプラットフォームで1シーズン分のレース経験を積んでいる他のGTPドライバーと比べると、自身がまだプライムポジションにいないことを認めている。

「僕は間違いなく1年間LMDhカーに乗っていたドライバーたちに追いつこうとしているが、レーシングドライバーの観点から見れば、クルマを運転するのに問題はないと思う」とジョーダンは述べた。

「彼らが1年半前から開発してきたシステムを使って、最後のわずかなアドバンテージを見つける方法を理解することが重要だ」

「ある意味、彼らがそれを持っているのは良いことだと思う。なぜなら、彼らはとても経験豊富で僕は彼らに質問することができるからだ。彼らは完璧な答えをくれる。一方、去年は彼らが同じように悩み、自問自答していたのに誰も答えを持っていなかった」

「学習曲線は新しい人が入っることで早めることができる。ドライバーズ・マニュアルは洗練され、システムも改善された」

「ドライバーにとっては今すぐ飛び込んで学ぶほうが簡単だが、それでも少し遅れを取ることになるだろう」

「デイトナは最初のレースで、それも24時間レースだから最初の16時間に夢中になることはないと思う。そこで完全に勝つ必要はないし、レースの終わりまでにシートタイムとして少しだけそれを利用すれば、いまよりもはるかに良い理解を持って(第2戦の)セブリングに行くことができる」

 なお既報のとおり、ジョーダンとデレトラズがレギュラードライバーを務めるWTRアンドレッティの40号車アキュラARX-06には、ミシュラン・エンデュランス・カップの助っ人ドライバーとしてコルトン・ハータが5つのレースでラインアップに加わる。さらに、デイトナ24時間レースで起用される4人めのドライバーには、元F1ワールドチャンピオンのジェンソン・バトンが指名されている。